「かぶると3年以内に死ぬ」言い伝えの仮面も展示…横浜で特別展
鎌倉時代から江戸時代にかけて作られた菩薩(ぼさつ)や鬼の仮面を集めた特別展「仮面絢爛(けんらん) 中世音楽と芸能があらわす世界」が、横浜市中区の県立歴史博物館で開かれている。12月8日まで。 展示されているのは、鎌倉時代から江戸時代までの間に、幕府の要職に就く武士などが権力を誇示したり、仏教への帰依を示したりするために執り行っていた演劇で使用された仮面など約90点。浄福寺(千葉県香取市)所蔵で神奈川県内初公開となる鎌倉時代に作られた金色の「菩薩面」や、かぶると3年以内に死ぬと伝わる「幽霊面」などのほか、現代に継承されている演劇の映像も見られる。 鎌倉時代前期は、臨終を迎えた人の元に仏や菩薩が訪れ、極楽浄土へ迎え入れるという場面を美しい仮面や楽曲、賛歌などで表現。時代の移り変わりとともに、鬼や幽霊を表現する仮面が作られるようになり、仏や菩薩がより崇高なものとして印象付けられるようになったという。 同館の渡辺浩貴学芸員は「仮面のさまざまな表情を見て楽しんでもらい、当時の権力者が仮面に込めた思いも知ってもらいたい」と来館を呼びかけている。 午前9時半~午後5時(入館は同4時半まで)。月曜日休館。特別展観覧料(一般900円、20歳未満・学生600円、65歳以上200円、高校生100円)で観覧可能。問い合わせは、同館電話045(201)0926。
神奈川新聞社