「保育園の洗礼」怖い…SNSに保護者の悲鳴相次ぐ 予防策はある?小児科医に聞いた
「保育園の洗礼が怖い…避けられる自信がない…」「子、保育園に行ってから1週間経つけどなんか鼻水出てきたぞ~ これが保育園の洗礼?怖いよ~~~」「もう2週間ガッツリ母娘で風邪だわよ 保育園の洗礼怖すぎだわ」。保育園に通い始めた子どもが多い4月以降、SNSでは「保育園の洗礼」に直面した保護者の投稿が相次いだ。 【ひと目で分かる】初夏に流行する感染症は? 昨年の感染状況 保育園の洗礼とは、新たに保育園に通い始めた子どもが風邪などの感染症に頻繁にかかることを指す。小学3年生と年少の子どもを育てる記者(40)も、かつて保育園の洗礼に悩んだ一人。保育園の洗礼を避ける方法はあるのか。仁科医院(長野市)の副院長で小児科医の仁科範子さんに聞いた。
体調を崩すのは仕方がないこと
記者「なぜ保育園に通い始めると、たくさん病気にかかってしまうのでしょうか」 仁科医師「保育園は集団生活なので、今まで接したことのなかったさまざまなウイルスに接するようになります。一緒に生活する中で、飛沫感染などでうつるのは仕方がないことです」 記者「症状で多いのは何ですか」 仁科医師「鼻水と咳ですね。いわゆる普通の風邪です」 記者「防ぐことはできないのでしょうか」 仁科医師「完全に防ぐことはできないし、防ぐ必要もないと思っています。風邪をひくことで必要な免疫を獲得する通過儀礼だと思います」
ピークは入園から2ヶ月 1年ぐらいで落ち着く
記者「保育園の洗礼はいつごろまで続くのでしょうか」 仁科医師「入園から2ヶ月ぐらいピークが続く印象があります。ただ、2ヶ月過ぎたから大丈夫ということではなくて、1年ぐらいは常に鼻水は出ているものだよ、と親御さんには話しています」 記者「保護者の中には、子どもが病気になっても急に仕事を休めないなど、仕事を続けられるか不安に思う人もいます」 仁科医師「子どもが体調を崩すことは仕方がないことです。親御さんには仕事を諦めないでほしいので、職場の方は、いずれ大丈夫になると思って理解してほしいですね」
予防は手洗いうがいが基本
記者「予防のためにできることは何ですか」 仁科医師「手洗いとうがいは大切です。それによってかなり予防になります。うがいが難しければ、水を飲むだけでもいいと思います。口の中の菌を洗い流し、胃酸で殺菌される効果が期待できるからです。あとは、予防接種も非常に大事で、重篤な感染症を防ぐことができます」 記者「他に予防で大切なことはありますか」 仁科医師「よく食べてよく寝るという普段の生活習慣が、免疫を高める上で非常に大事です。私たちが菌やウイルスと共存している中で、普段は大丈夫でも体が弱っていると病気にかかることもあります」