実写版『シティーハンター』人気キャラの活躍を描かなかった理由は?プロデューサーが明かす原作リスペクト
鈴木亮平主演で漫画家・北条司の大ヒットコミックを実写化したNetflix映画『シティーハンター』を手掛けたエグゼクティブ・プロデューサーの高橋信一が、劇中で本編に登場しなかった人気キャラクターにまつわる秘話を明かした。 【動画】鈴木亮平&神谷明スペシャル対談!実写版『シティーハンター』インタビュー 東京・新宿を拠点に裏社会のトラブルを解決する一流スイーパー(始末屋)・冴羽リョウの活躍を描く本作。役者人生のきっかけになったというほどの「シティーハンター」ファンである鈴木亮平がリョウ役を務める実写版には、リョウの相棒・槇村秀幸(安藤政信)や槇村の妹でヒロインの香(森田望智)、リョウと腐れ縁の女性刑事・野上冴子(木村文乃)など、ファンお馴染みのキャラクターが登場する。
一方で、今回の登場がかなわなかったのが、リョウの良きライバルであり悪友でもあるスイーパー、“ファルコン”こと海坊主だ。原作ファンから絶大な人気を誇るキャラクターだけに、高橋は「海坊主を出すかという判断は一番難しかったです。ファンの皆様からすると、当然(海坊主は)出るんでしょと期待していただいていたと思うのですが、今回はリョウと香の出会いを描くエピソード0的な物語。原作の流れからすると、その時点で海坊主が出ていないので、どうしても入れようがないなと思っていたんです」と明かす。
それでも、ぎりぎりまで海坊主の登場は模索されていた。「実は、劇中でリョウが依頼人の美女と会う喫茶店も、当初は海坊主が経営しているお店という設定を考えていました。本編には使いませんでしたが、コースターに海坊主(のイラスト)が載っていたりもしたのですが、それをやってしまうと、どうしても物語の整合性が取れない。どちらがファンの皆さんに喜んでいただけるのか、反応は読めませんでしたが、今回は原作をリスペクトする形で登場を断念したんです」
ただ、実は海坊主の姿を確認することができる場面がある。それは、少年兵時代のリョウが映し出される回想シーンの一瞬。「本当にワンシーンだけ。わかる方だけわかってくださればと思って、回想シーンの遠くに海坊主の姿を残して、予告編を解禁した際にそのカットも使用しているのですが、それだけで気づいたファンの方もいて。そうしたコアなファンの皆さんのためにも、(実写化において)どこまでが許されて許されないのかということは、常に意識していました」