【米ビルボード・アルバム・チャート】エミネム11作目の首位、ENHYPEN/クレイロ/ミーガン・モロニーTOP10デビュー
エミネムのニュー・アルバム『ザ・デス・オブ・スリム・シェイディ(クー・ドゥ・グラス)』が1位に初登場した、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。 『ザ・デス・オブ・スリム・シェイディ(クー・ドゥ・グラス)』は、2020年に発表した前作『ミュージック・トゥ・ビー・マーダード・バイ』から約4年半ぶり、12枚目のスタジオ・アルバムで、サウンドトラック『8マイル』(2002年)とベスト盤『カーテン・コール』(2005年)を含む、通算11作目の首位を獲得した。 エミネム首位獲得作品 スタジオ・アルバム 『ザ・マーシャル・マザーズLP』(2000年) 『ザ・エミネム・ショウ』(2002年) 『アンコール』(2004年) 『リラプス』(2009年) 『リカヴァリー』(2010年) 『ザ・マーシャル・マザーズ・LP2』(2013年) 『リバイバル』(2017年) 『カミカゼ』(2018年) 『ミュージック・トゥ・ビー・マーダード・バイ』(2020年) 『ザ・デス・オブ・スリム・シェイディ(クー・ドゥ・グラス)』(2024年) サウンドトラック 『8マイル』(2002年) ベスト・アルバム 『カーテン・コール』(2005年) Billboard 200での首位獲得数を11作目に更新したエミネムは、ブルース・スプリングスティーン、バーブラ・ストライサンド、イェー(カニエ・ウェスト)と同率の以下に続く5番目の記録に並んだ。 Billboard 200 首位獲得総数 19作 ザ・ビートルズ 14作 ジェイ・Z 14作 テイラー・スウィフト 13作 ドレイク 11作 ブルース・スプリングスティーン 11作 バーブラ・ストライサンド 11作 イェー(カニエ・ウェスト) 11作 エミネム 7月12日にリリースされた『ザ・デス・オブ・スリム・シェイディ(クー・ドゥ・グラス)』は、初週(2024年7月12日~7月18日)ストリーミングが164,500(2億2,008万回)、セールスが114,000、トラックによるユニットは2,500をそれぞれ記録して、累計281,000ユニットを獲得した。ストリーミング・アルバム・チャートでも1位に初登場して、ラップ・アルバムとしては現時点での今年最高の週間ユニットを更新した。 また、デジタル・ダウンロードの週間セールスとしてもテイラー・スウィフトの『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(今週4位)が初週の5月4日付で記録した274,000枚に次ぐ2番目の記録を打ち立てている。 『ザ・デス・オブ・スリム・シェイディ(クー・ドゥ・グラス)』は現在デジタル・ダウンロードでのみ購入可能で、一般発売されたクリーン・バージョンとエクスクルーシブ・バージョン、公式ウェブサイトでのみ販売された3つの限定盤がある。リリース前に予約を受け付けていた3つの限定盤のうち2種類には、2チェインズをフィーチャーした「Kyrie & Luka」と、FIFTEENAFTERをフィーチャーした「Like My Shit」がそれぞれ1曲ずつ収録されていて、7月17日に公式ウェブサイトでリリースされたもう1種類には、スキットとして「Steve Berman」が収録されている。 『ザ・デス・オブ・スリム・シェイディ(クー・ドゥ・グラス)』のフィジカルは、CDが9月13日、アナログ盤は10月25日にリリースが予定されている。 本作からは、リード・シングルの「フーディーニ」が6月15日付のソング・チャート“Hot 100”で2位にデビューして、ビッグ・ショーンとベビートロンをフィーチャーした「トビー」も先週(7月20日付)27位にランクインし、2曲をTOP40入りさせた。 続いて今週2位には、韓国のボーイズ・グループ=ENHYPENのニュー・アルバム『ROMANCE : UNTOLD』が初登場して、『MANIFESTO : DAY 1』(2022年 / 最高6位)、『DARK BLOOD』(2023年 / 最高4位)、『ORANGE BLOOD』(2023年 / 最高4位)に続く4作目のTOP10入りと自己最高位を更新した。 『ROMANCE : UNTOLD』は、初週セールスが117,000、ストリーミングが7,000(953万回)を記録して、合計124,000ユニットを獲得。今週のセールス・チャートでは1位に初登場して、グループ史上最高の週間セールスを達成した。フィジカルは、フォトカード、ポスターなどの特典を封入したCDが17種類、アナログ盤は2種類がリリースされている。 先週2位にジャンプアップしたザック・ブライアンの『ザ・グレート・アメリカン・バー・シーン』(88,000ユニット / 36%減少)は今週3位にダウン。初登場から12週間連続で1位を記録したテイラー・スウィフトの『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』(82,000ユニット / 50%減少)は4位に順位を下げて、No.1デビューした5月4日付から13週目で遂にその座を明け渡した。 モーガン・ウォレンの『ワン・シング・アット・ア・タイム』(66,000ユニット / 5%減少)は先週の3位から5位、ビリー・アイリッシュの『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』(57,000ユニット / 2%減少)は4位から6位、チャペル・ローンの『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』(54,000ユニット / 1%減少)も5位から7位にそれぞれ2ランクダウンして、今週8位には米マサチューセッツ州出身の女性シンガー・ソングライター=クレイロの新作『チャーム』が初登場した。 『チャーム』は、2021年に発表した前作『スリング』から3年ぶり、3枚目のスタジオ・アルバムで、その前作が記録した17位を大きく上回り自己最高位と初のTOP10入りを果たしている。 『チャーム』の初動ユニットは 47,000で、その内訳はセールスが32,000、ストリーミングは15,000(1,978万回)だった。自身最高の週間セールスを記録した本作は、アナログ盤が8種類、CDはグッズを封入した4種類のデラックス・ボックス・セットがリリースされていて、売上を強化している。週間セールス32,000枚のうち15,000枚がアナログ盤による売上で、LPの週間セールスとしても自己最高の売上枚数を達成した。 『チャーム』からは、5月にリリースした「セクシー・トゥ・サムワン」がアダルト・オルタナティブ・エアプレイ・チャートでTOP20、オルタナティブ・エアプレイ・チャートとロック&オルタナティブ・ソング・チャートでそれぞれTOP30にランクインして、アルバムのヒットに繋げた。 今週9位には、米ジョージア州出身の女性カントリー・シンガー=ミーガン・モロニーの2ndアルバム『アム・アイ・オーケイ?』がデビューして、昨年5月に発表したデビュー・アルバム『ラッキー』(最高38位)に続く2作目のTOP40入りと初のTOP10入り(自己最高位)を果たした。 『アム・アイ・オーケイ?』は、初週ストリーミングが30,000(3,805万回)、セールスが13,000、トラックによるユニットは500以下をそれぞれ記録して、累計43,000ユニットを獲得。本作からは「No Caller ID」、「28th of June」、「Indifferent」の3曲がカントリー・ソング・チャートにランクインした。同チャートでは、前作『ラッキー』に収録された「Tennessee Orange」が10位を記録して、【カントリーミュージック協会賞】と【アカデミー・オブ・カントリーミュージック・アワード】で<年間最優秀楽曲>にノミネートされている。 ノア・カーンの『スティック・シーズン』は先週の7位から10位にランクダウンしたが、週間ユニットは4%増加の40,000に上昇した。 Text: 本家 一成 ※関連リンク先の米ビルボード・チャートは7月26日以降掲載予定となります。 ◎【Billboard 200】トップ10 1位『ザ・デス・オブ・スリム・シェイディ(クー・ドゥ・グラス)』エミネム 2位『ROMANCE : UNTOLD』ENHYPEN 3位『ザ・グレート・アメリカン・バー・シーン』ザック・ブライアン 4位『ザ・トーチャード・ポエッツ・デパートメント』テイラー・スウィフト 5位『ワン・シング・アット・ア・タイム』モーガン・ウォレン 6位『ヒット・ミー・ハード・アンド・ソフト』ビリー・アイリッシュ 7位『ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ア・ミッドウェスト・プリンセス』チャペル・ローン 8位『チャーム』クレイロ 9位『アム・アイ・オーケイ?』ミーガン・モロニー 10位『スティック・シーズン』ノア・カーン