落語家・桂米團治の弟子 桂米舞ラジオ初レギュラーは緊張で直立不動 師匠は「優しいおじいちゃん」
10月より、ラジオ番組『Clip』(ラジオ関西)の木曜パーソナリティーを務めることとなった、桂米舞。今年6月に同番組のゲストに登場した桂米團治の弟子で、これからが期待されている落語家だ。 【関連】落語家・桂米團治 父が偉大ゆえ苦悩した人生 初の一門会では“前代未聞”の試みに挑戦! 米團治さんにとって初の女性弟子である米舞が入門したのは、2022年2月1日。もともと大学で落語研究会に所属しており、2020年に開催された落語会“桂米朝会”で見た米團治さんの落語にひと目ぼれしたことを契機に、弟子入りを決意した。 師匠・米團治さんの印象については、「優しそうなおじいちゃん。おじいちゃんと言ったら怒られそうですが」と話した。 番組パートナーの清水健(フリーアナウンサー)によると、初のラジオ収録に臨む米舞は「直立不動でピーンと張りつめている」と緊張気味の様子。 今後の意気込みについて、「お昼の時間を明るく楽しいものに。リスナーさんにお伝えしていけたらと思います」と熱弁した米舞。 そんなコメント中も緊張からか噛んでしまったが、清水からは「僕も『この気持ちを忘れたらあかんな』というのをすごく感じています。『自分の声がラジオ電波に乗ってるって、やっぱすごいな』と、今しゃべりながら思っています」とフォローの言葉が投げかけられた。 落語の魅力について尋ねられると、「1人でいろいろなことを想像させるというところ、自由さが魅力じゃないかな」と熱意あるコメントを残した。 内弟子生活では、師匠の米團治さんとともに暮らし、付き人として四六時中一緒に過ごしているとのこと。あこがれの人と過ごせることが楽しくて仕方がないそうで、「もう本当に、優しいお父さんという感じです」と声を弾ませた。ちなみにここでは、師匠に怒られないようにとの意識からか、「おじいちゃん」ではなく「お父さん」と若返らせてコメントをしていた。 今回なんと、スペシャルゲストとして米團治さんが電話出演。開口一番、「誰が親切な優しいおじいちゃんや」と鋭くツッコみながらも、「ヒヤヒヤしながら(放送を)聞いていました。(弟子と師匠)どっちがアシスタントやわからへん、っていう感じでしょ」と弟子を案じる様子をうかがわせた。 米團治さんによると、「米舞は運が強い」そうで、入門1年目でNHK総合テレビの『サラメシ』に登場。新入社員特集だったため、「弟子一年目も新入社員みたいなものだから」との理由で出演が決まったのだとか。 2年目には、俳優・松平健の芝居に出演していた米團治さんの付き人兼通行人だったはずが、演出家の目に留まったことから丁稚役としての出演を果たすなど、偶然の抜てきが重なった。 米團治さんからは、今回の初出演についてのアドバイスも贈られた。 「『運も芸のうち』なんて言葉もありますけれども、いつまでもそれに甘んじちゃったらダメですので。ラジオのチャンスをいただいたんで、やはり徐々にでしょうけれど、もうちょっと語彙を増やす(べき)。『ありがとうございます、うれしいです』だけのコメントから、たとえば、東京都練馬区からお便りをいただいたのであれば『遠いところからありがありがとうございます』みたいな感じでね、言えるように」(米團治さん) 米團治さんは、「米舞」という名前の由来についても触れた。小さい体でゆっくりと物事をこなす様子がカタツムリのようだったことから「マイマイ」にしようとなり、師匠である米團治から「米」の一字と「舞う」を合わせて「米舞」になったのだという。 名前をつけてもらったときは感動して泣いてしまったという米舞。今後、落語家として目指す姿について、このように語った。 「さっきも申しました通り、本当に不器用で。やることも遅いんですけど、 師匠に教えていただいたことを1個1個着実に積み重ねて、師匠のような明るくて華やかな高座をお伝えできるような噺家(はなしか)になりたいなと思っております」(米舞) ※ラジオ関西『Clip 木曜日』2024年10月3日放送回より
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