ピエール瀧、小林且弥監督の初監督作での主演オファーは「断れない」 SNSの弊害描いた作品への思い
映画『凶悪』でやくざの親分と舎弟の関係性で共演したピエール瀧と小林且弥。あれから10年の歳月を経て、小林が初監督作品である『水平線』の主役をピエール瀧に託した。企画から製作まで4~5年かかった中、小林監督は「どうしても瀧さんに真ん中に立っていて欲しかった」と思いを吐露すると、ピエール瀧も「『凶悪』で僕をずっとケアしてくれた舎弟を撃ち殺しているわけで…。やらないわけにはいかなかった」と冗談っぽく語る。そんなピエール瀧と小林監督が二人の関係性や作品に込めた思いなどを語り合った。 【動画】俳優復帰後初主演作への思いを明かすピエール瀧 ■ピエール瀧が主演映画のオファーを受けた理由とは 数々の話題作を世に送り出してきた白石和彌監督が手掛けた映画『凶悪』で共演したピエール瀧と小林監督。元暴力団組長の死刑囚・須藤純次を演じた瀧は劇中で、須藤を心酔している舎弟の五十嵐に扮した小林監督と芝居でガッツリと対峙した。 小林監督は「瀧さんは覚えていないと思いますが、『リンダ リンダ リンダ』という映画の打ち上げで、場を回している瀧さんを遠目からそっと見つめていたのが、僕にとって初めての生ピエール瀧ですかね(笑)」と出会いについて述べると「その後『凶悪』でガッツリご一緒させていただいてから、ずっと慕っている存在でした」と語る。 そんな中、小林のもとに届いたオリジナル企画での舞台演出オファー。その時点で『水平線』の元となる骨組みは出来上がっていたが、コロナ禍などの諸事情により別の企画を上演することになった。ただ、この企画自体をどうしても諦められなかったいう小林の想いが今作の映画化につながった。 小林監督は「最初の企画から4~5年は経っていましたが、ずっと僕のなかには瀧さんには真ん中に立っていて欲しいと勝手に思っていたんです」と片思いをしていたことを明かすと、小林監督の思いにピエール瀧は「付き合いはそこそこ長いですが、俳優同士って現場が一緒じゃないとそこまで頻繁に会うわけでもないので…」と笑い「ある日、久々に電話があって。『あっ、小林君だ』と思ったら、あまり前置きなく単刀直入に『監督をやることになったので一緒にやってくれませんか』ってね」と振り返る。 やや驚きはあったもののピエール瀧は「初監督ってやっぱり門出になるし、大事な作品だと思う。そこの主演として選んでもらったというのは光栄ですし、これは断ったらダメなやつだ」と直感的に感じ前向きに捉えたというと「でも向いていない役、例えば崖からバイクで飛び込んだり、飛行機から飛び降りたり…というのだと無理だから、一応脚本は読ませてもらったんです」と笑う。 さらにピエール瀧は「『凶悪』で、(小林演じる)五十嵐は(ピエール瀧が演じた)須藤のことを全部ケアしてついてきてくれたのに撃ち殺してしまったという罪悪感があったんです」とジョークを飛ばすと「そんな小林くんに『お願いします』と言われたら断れないですよね」と笑顔で語っていた。