辰年に“ドラゴン”の新種発見、現実にいるドラゴン6選 火は吐かずとも飛べるものはいる
猛毒を生成する種や、人を食べられる種も
2024年は甲辰(きのえたつ)だ。辰(ドラゴン)は十二支で唯一、伝説上の生き物だ。干支のドラゴンは実在しないかもしれないが、この1月に発見された新種をはじめ、よく似た特徴を持つ動物は現実に存在する。 【関連写真】発見された新種と同属の“ドラゴン”
新種の「小型ドラゴン」
2024年1月、インド南部の西ガーツ山脈でキタカンガルートカゲ(アガスティアガマ属)の新種アガスティアガマ・エッジ(Agasthyagama edge)が発見された。体長は10センチメートル余りしかなく、科学者たちは「小型ドラゴン」と表現している。 鋭い爪にとがった鼻、長い尾を持つ姿は確かに、伝説上の生き物を思い起こさせる。ただし、ポケットに入るほど小さい。興味深いことに、このトカゲは直立し、2本の後ろ脚で走ることができる。
ルビーシードラゴン
私たちは目立ちたいときに赤を身に着けるが、ルビーシードラゴンにとって、赤は「深海におけるカムフラージュ戦術です」とジョセフィン・スティラー氏は話す。オーストラリア西部の海でルビーシードラゴンが初めて撮影されたとき、スティラー氏もチームの一員として参加していた。 「水中で赤は光のスペクトルで最初に吸収される色のため、海の中では赤いルビーシードラゴンは黒く見え、捕食者から身を隠すことができる」と、スティラー氏は説明する。 リーフィーシードラゴンやウィーディーシードラゴンと異なり、海藻に溶け込む葉のような付属器官を持たないのは、赤の仮装で十分なためだろう。 また、ほかのシードラゴンと異なり、ルビーシードラゴンのオスは腹部ではなく尾の下で卵を育てる。
ブルードラゴンウミウシ
体長わずか6センチメートル弱のゴージャスな「ブルードラゴンウミウシ」ことアオミノウミウシは驚きに満ちている。 「アオミノウミウシは逆さまになって海面を漂い、空気を取り込んで浮力を保っています」と米カリフォルニア州立工科大学でウミウシの研究を行うアンジェル・バルデス氏は話す。 そのため、猛毒で有名なカツオノエボシなどのそばにいることができる。 アオミノウミウシはカツオノエボシから毒針が入っている刺胞を盗み出し、セラタと呼ばれる翼のような付属器官の先端に蓄えておく。 そして、「捕食者に脅かされると、刺胞を武器として使う」とバルデス氏は説明する。