経費でたまったポイント「20万円分」を私的利用…シラ切る“問題社員”に裁判所が下した判断は
ジャッジ
裁判所 「解雇はOK! 理由は以下のとおりです」 裁判所 「ポイントの私的利用は、Xさんが業務上委ねられていた現預金を私的に利用することと同等の経済的損害を与えるものであって、これと同様の信頼関係の破壊をもたらすものであったと言わざるを得ない。本件ポイントの費消の性質および経緯、費消の額および用途ならびに回数および期間に照らすと、本件ポイント費消は従業員としての職務上の義務に違反するものであり、本件解雇に客観的に合理的な理由が認められる」 裁判所 「ポイントの私的利用額は20万円を超えている。Xさんは後任者から本件ポイントのアカウントのパスワードを聞かれたときに『忘れた』旨答えて、本来行うべき説明をしなかった。これの事情に照らせば、特にXさんに酌むべき事情があるとはいえない」 というわけで解雇OKとなりました。「Xさんが業務指示を聞かない」ことなども考慮されたと考えます。 ーー ん、Xさんが挙手してますね。どうぞ。 Xさん 「上司Bからはポイントについての指示は1回しかありませんでした」 裁判所 「1回で理解できるでしょ。たまったポイントをプライベートで利用しちゃダメなことくらい簡単に理解できるでしょうよ。誤解が生じる余地がない!」 瞬殺でした。 上司にたてつくくらいであれば「解雇はダメ~」と判断されたかもしれませんが、会社のお金も使ってますからアウトでしたね。
最後に
お金を扱っている方には悪魔がささやいてくることがあるかもしれません。「これくらいならバレないだろ...いつも頑張ってる自分へのご褒美と思えよ」みたいな。 でもグッとこらえましょう! バレたら社会的に死ぬ(解雇OK)のおそれありです。 今回は以上です。これからも労働関係の知恵をお届けします。またお会いしましょう!
林 孝匡(弁護士)