炭素に魅了された女子高生 独学でプログラミングを習得 最愛の父の死を機に健康デバイス開発に挑戦【福岡発】
中学2年のときに突然、父親が…
学校の授業時間以外は、すべてを研究に注ぐ岡部さん。実はデバイス開発のきっかけは、3年前の父の死だった。「中学2年生の時に父が突然死してしまって、自分が何もできなかったのが本当に悔しくて」と当時を振り返る。持病など健康面に何も問題なかった父親が会社で突然倒れ、そのまま帰らぬ人になってしまったのだ。父親に一体、何が起きたのか?岡部さんは「もしリアルタイムで健康状態がわかっていたり、体調の急変がわかっていたら、父の突然死を防げたかもしれないなと思って」とデバイスの開発を始めた思いを語った。 その後、岡部さんは専門的なプログラミングや化学の知識を独学で習得。時には全国各地の大学や研究所を訪れ、開発に必要な技術を身に着けていった。研究に打ち込んだこの3年、何よりの支えは父親の存在だったという。父の遺骨が入ったペンダントをいつも身に着けている岡部さん。「研究がうまくいかない時も父が側にいてくれると思うことで、うまくやっていけています」と父への思いを語った。 岡部さんが自宅で使っている研究部屋は、かつての父親の書斎。「この部屋にいると気持ちが入るというか、早く作らなきゃっていう気持ちになれる。お父さんはなんでも応援してくれるので喜ぶかな、どうだろう」と呟いた。 岡部さんの研究は2024年、福岡県青少年育成県民会議の事業で社会課題の解決につながるアイデアとして採択され、研究活動費の助成金を受けることになった。九州大学の協力も得ながら2025年1月の完成を目指している。「このデバイスを完成させて、すべての家族の方々が、孤独死や突然死で悔しい思いをせずに楽しく生きていられる世界をつくりたいと」。岡部さんは力強く思いを語った。 (テレビ西日本)
テレビ西日本