渡辺翔太、田中樹、大倉忠義、中島健人……受け継がれた誇りと共に『タイプロ』を見守るファミリーの絆
ファミリーとして、ライバルとして見守る事務所の仲間たち
ジュニアとしての下積みを経験せずに、timeleszのメンバーとしてデビューするという前代未聞の新ルートに、誰もが戸惑っている。それは、メンバーである菊池もそうだ。スペシャルエピソードとして、Snow Man・渡辺翔太と菊池の対談も配信された。そこでは、新メンバーを迎え入れる側として何をするべきなのか、何ができるのかを模索したSnow Manの歩みが語られた。 もっと新メンバーをケアするべきだったと反省し、どう思われようともグループを守る覚悟を決めたという渡辺。対して、新メンバーとして加入した側を代表して目黒蓮がしたためた手紙も。加入後、グループの一員として馴染むことはもちろん、個人での活動でも結果を出してSnow Manを盛り上げてきた新メンバーたち。それにも関わらず、ラウール、向井康二の3人で今もなおグループのために何ができるのかと作戦会議をしているというエピソードが胸を打つ。 そんな目黒の手紙は、新メンバーを迎えてパワーアップするtimeleszを「潰すつもりで(笑)」なんて冗談を添えて締めくくられていたが、そこにはこのオーディションを通じて起きる誰も見たことのない化学反応を楽しみながらも、どこか負けていられないという気持ちが混ざっていることが伺えた。それは、新メンバー加入という近い経験をしたSnow Manだけではない。 「全員マジな目なのがいいよね」とは、SixTONESの田中樹が今年9月14日放送のラジオ『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』(ニッポン放送)に、急遽菊池をゲストに招いたときに語った感想だ。渡辺と同じく菊池と旧知の仲である田中は、軽快なトークを通じて道なき道を進もうとしているtimeleszの奮闘に寄り添いながらも、どんなもんなんだと探らずにはいられなかったのではないか。 また、オーディション会場に直接足を運んで、候補生のチームに対して「僕がtimeleszだったら1人も入ってほしくないっす」と厳しい言葉を投げかけたのは、SUPER EIGHTの大倉忠義。すでに関西ジュニアの育成・プロデュースを手掛けているからこその叱咤激励。審査する側でありながら、ゆくゆくは一緒のチームメイトになる予定のtimeleszメンバーが言いにくいことを、あえて言う役割を担ってくれているように見えた。 受け継がれてきたエンターテイナーとしての誇り。それをtimeleszだけに背負わせるわけにもいかないという家族愛にも近い絆が、彼らのやりとりから見受けられる。それと同時に、その成功が自分たちにとっては、また新たな脅威にもなるという複雑な心境が渦巻いているのは、ファミリーでありながらライバルという同じ事務所のアイドルならではの“仲間”感だ。 そして、長年Sexy Zoneとしてともに歩み、今年3月31日でグループを卒業した中島健人も『タイプロ』を見つめるひとりだ。『中島健人 Official YouTube Channel』にアップされた動画「【密着】中島健人が初めて語る「どうしてソロになったんですか?」では、『タイプロ』について言及するシーンもあったことで話題に。 ゼッケンをつけてリハーサルスタジオで踊る懐かしい風景に「ジュニア時代を思い出す」と振り返っていた中島。そしてtimeleszの新たな挑戦に対しては「いろんな去年やりとりがあったなかで、『じゃあ、お互いの刺激になれればいいよね』っていう。そういう形だったし」「俺自身も頑張んなきゃダメだと思う」と続けた。きっとそれまで以上に新たなチャレンジをしていこうという気合いが入ったに違いない。 最後に『タイプロ』では、松島が候補生たちにこう話すシーンがあった。「みんなのパフォーマンスを見て、見る人の人生を動かすきっかけになるかもしれないから。命が救われる可能性があることもあるかもしんない。心を動かすってそういうことだから」。まさに『タイプロ』を通じて、timeleszは多くの視聴者の心を動かしているとも言えそうだ。それは、同じエンターテインメントの道を進むアイドルも然り。そんな『タイプロ』の今後の展開から、そして何よりもtimeleszの未来から、ますます目が離せない。
佐藤結衣