広島・斉藤 師匠・大瀬良流投球に黒田アドバイザー太鼓判 下半身主導のフォームに「いいと思う」
「広島春季キャンプ」(1日、日南) プロ野球は1日、オリックスと西武を除く10球団がキャンプインした。広島は2年目の新井貴浩監督(47)の下、宮崎県日南市で始動。初の1軍キャンプとなった昨年のドラフト1位・斉藤優汰投手(19)が初日からブルペン入りし、自主トレで大瀬良から学んだ下半身主導の投球に、黒田博樹球団アドバイザーが太鼓判を押した。 【写真】準備はOK? 練習前の円陣でサムアップポーズの大瀬良 冷たい雨が降りしきる天福球場で、屋内ブルペンが熱を帯びていた。初日から次々と強く腕を振る投手たち。その中でひときわ視線を集めていたのが斉藤だった。ゆったりとしたフォームから力強い直球を軸に56球。2年目を迎えた広島の期待の星が大器の片りんを見せつけた。 師匠の教えを実践した。1月は大瀬良に志願して弟子入りした右腕。「自主トレ中から、腕に頼らない投げ方をずっとやっていて、今日もそれを意識して取り組んだ」。憧れでもある先輩からは、投球フォームにおける軸足の使い方を助言された。今キャンプで「意識しなくても自然とできるようにしていきたい」と“大瀬良流”のフォーム固めに余念がない。 キーワードはプレートを右足で“押し込む”こと。これまでは単純に重心を下げるだけの意識だったが、今は「プレートにずっと足を押し付けているような感じ」で投球している。下半身に力がたまり、直球の回転効率などのデータも向上した。ボールへの力の伝達も今のところスムーズに行われており、「いつもより楽な力でボールを投げられるようになった」と手応えを明かす。 視察に訪れた黒田球団アドバイザーからは「軸足の使い方を変えた?」と問われた。わずかな変化に気づいたレジェンドに対して、斉藤は大瀬良に師事した自主トレのことや現在の取り組みを説明。「いいと思うよ」と同氏からも背中を押され、自信を深めたように大きくうなずいた。 1年目だった昨季はウエスタン・リーグで15回2/3を投げ、15三振を奪ったものの四死球は8。制球力が課題となっていた。リリースポイントの安定化も図れる下半身主導の投げ方は直球の威力向上だけでなく、制球力向上にもつながると考えて練習に励む。 1軍デビューもまだ果たしていないだけに「数字的な目標とかは特にない」と強調。「やっぱり1軍で投げたい気持ちが強いので、このまま1軍にずっといられるように、今はそこを目標に頑張っている」とキャンプを1軍で完走することを第一目標とした。 新井監督が「激しい競争」をテーマに掲げる今キャンプ。西川が抜けた野手陣のみならず、投手陣でもマウンドの座を争う熱戦の火ぶたが切られた。