啓徳にスポーツ系大型ショッピングモール「啓徳体育園零售館」開業
香港で再開発が進む啓徳(Kai Tak)地区に12月18日、ショッピングモール「啓徳体育園零售館(Kai Tak Sports Park Mall)」が開業し、ソフトオープンの形で営業を始めた。(香港経済新聞) 【写真】モール内の様子 テーマは「運動遊楽(Sportainment)」と呼ぶ、スポーツとエンターテインメントをかけたもの。日本からは「JOYPOLIS SPORTS」が海外初の進出先として出店するほか、30のスポーツブランドが出そろう。香港政府は旧啓徳空港(Kai Tak Airport)の跡地を総合スポーツゾーン「啓徳体育園(Kai Tak Sports Park)」として再開発をすることを策定し、開発を進めてきた。 滑走路部分は、住宅と大型客船が停泊可能なフェリーターミナルとして開発が進められた。旧空港の建物などがあるエリアには、5万人を収容でき、開閉式の屋根を持つ全天候型のスタジアム「主場館(Main Stadium)」を中心としたスポーツ施設のほか、スポーツをテーマにした「啓徳零售館」の建設を進めてきた。 土地の広さは28ヘクタール、総面積は70万平方フィート。大きく分けて3つのゾーンから成る。テナントは、アシックス、アディダス、ナイキ、ニューバランス、サロモン、フィラ、デカトロンなどのスポーツブランドが並ぶ。加えて、アメリカのリカバリーシューズブランド「OOFOS」が香港に初進出。同ブランドは「活動しながら回復する」というコンセプトの下で開発したスポーツシューズを販売している。「聚星商店(FanTown)」は、バルセロナ、バイエルン・ミュンヘンといったサッカークラブやアルゼンチンなどの代表チームのユニホームやグッズを販売する店で、香港限定商品の販売も想定する。 エンターテインメントでは、海外初進出となるスポーツ系エンタメ施設の「JOYPOLIS SPORTS」、ナムコ、任天堂といった日系企業が出店するほか、4万平方フィート、40レーンがあるボウリング場「Epicland」も備えた。 ほかにも、近い小売店が軒を連ねる。AEON STYLE、24時間営業のフィットネスクラブ「24/7 FITNESS」のほか、インドネシアの食品販売専門店「In-MART」は香港初進出となる。インドネシアから直送される各種ケーキ、高級ドリアンや各種コーヒーも販売する。 携帯のアクセサリーを販売する地元香港の「Stay Dreaming」は、同施設で初めて旗艦店を出す。コスメなどを販売するSASA、ユニクロ、商務印書館(Commercial Press)など、既に香港で認知度の高い幅広い業種も店を構えた。 飲食では、2万平方フィートのフードコート「Food Gala」を整備。中華、日本、韓国、東南アジア、欧米と世界各国の料理が味わえることから、九龍東地区の美食の中心地になることも狙う。牛角、台湾料理の倆●杯、韓国式ピザと唐揚げのPizza Maru、西洋の軽食と香港の味をかけ合わせたフュージョン料理「茶東西(Chaology)」なども店を構えた。 モールの運営は、デベロッパー最大手の一つである新世界発展(New World Development)が担う。新世界は、マンション開発などには実績があるが、ショッピングモールにおいては、尖沙咀(Tsim Sha Tsui)のK11 Museaを除いて、ショッピングモールの運営がうまくいっていない面がある。同社の鄭志剛(Adrian Cheng)CEOは、2024年6月期の最終損益が20年ぶりの赤字を出した責任を取り辞職した。メインスタジアムは外国人アーティストのコンサートなども想定されているが、来年3月末に7人制ラグビーの香港セブンズが開催され、このタイミングでのグランドオープンを目指す。その後、モールとして本格的に稼働する。香港経済もまだ景気が良いとは言えない状況の中、どのようにモール運営をしてくのか、香港市民の注目を集めている。 営業時間は10時~23時。 ●=にんべんに三。
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