ロシアが進めるハイブリッド戦争、NATO東部国境は第2戦線の様相
ロシアの活動について同国外務省に19日に電子メールでコメントを求めたが、応答はなかった。
過去数カ月だけでフィンランドとスウェーデンの領空に複数回の侵犯があり、GPS信号妨害で小規模空港に民間機が着陸できなくなった事態も1度や2度ではない。ポーランド当局は、欧州連合(EU)内で破壊活動をさせるためロシアが雇ったとされる数人を拘束した。
国際的に合意された国境線に疑問を投げかけるのも、現代風にアレンジされた使い古された戦術の一つだ。
ナルバ川の国境ではロシアのウクライナ侵攻以来、緊張状態が続いている。今年に入り、ロシアは国境の橋の通行を歩行者に一方的に限定した。エストニアは周辺地域でのドローンの活動を監視し、旅行者向けにロシア情報機関の勧誘を警告する看板を設置した。
エストニア政府によれば、漁船やレジャーボートが誤ってロシア領内に入ることがないよう川の国境上にブイを置くことでロシアとは合意があった。だが、昨年からロシアは同意しなくなり、今年設置を計画する250のブイのうち半数についてその位置に異議を唱えてきた。
エストニアはロシアが撤去したブイの返還を求めており、ロシアが航路帯の位置に変更があったとの証拠を提示しない限りブイの追加設置を続ける方針だと説明した。エストニアはロシアからの応答を引き続き待っているという。
フィンランド、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランドは合わせてロシアとの国境が2300キロ余り、さらにベラルーシと1250キロにわたり接する。この国境線は米国とメキシコの国境よりも長い。
原題:Putin’s Hybrid War Opens a Second Front on NATO’s Eastern Border(抜粋)
--取材協力:Piotr Skolimowski、Leo Laikola.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Kati Pohjanpalo, Aaron Eglitis, Milda Seputyte, Ott Tammik