静岡で居酒屋を運営していたAC<旧商号:こころ>など2社が特別清算開始命令受ける
(株)AC<旧商号:(株)こころ、TDB企業コード:478011437、資本金1000万円、浜松市中央区田町329-12、登記面=東京都千代田区丸の内3-4-1、代表清算人水原祥吾弁護士>と、関係会社の(株)DC<旧商号:(株)静岡喜八廊、TDB企業コード:430176356、資本金1000万円、磐田市中泉3720-1 登記面=同所、同代表清算人)は、(株)ACは8月16日、(株)DCは8月6日に東京地裁より特別清算開始命令を受けた。 (株)ACは、2004年(平成16年)6月に設立された外食業者。静岡県下を中心に居酒屋ダイニング「てんくう」の運営会社として認知され、主力の「てんくう」は、JRや私鉄駅前の市街地・繁華街の好立地に店舗を構え、100~200席を主体とした大型店を経営していた。駅前立地とオシャレな店舗内外装から、顧客層はビジネスマンに加え、若者、女性の利用も多く、20~30歳代を主力層としていた。また、経営陣がIT業界出身という強みを活かして店舗の損益集計や勤務シフトを一括管理するための社内ITシステムを自社開発するなど、効率的な店舗経営及び積極的な出店で注目を集め、最盛期には18店舗を運営し、2019年3月期には年売上高約10億5200万円を計上していた。 しかし、新型コロナウイルス感染拡大以前から積極的な店舗展開に伴う借入金の増加や減価償却費負担により欠損を計上。さらに、追い打ちをかけるように新型コロナウイルス感染拡大以降は利用者の減少に伴う店舗撤退や新規利用客層の開拓を狙った新規出店も暗礁に乗り上げるなど厳しい状況を余儀なくされた。このため、2023年までには店舗経営から撤退し事業活動を休止、(株)こころから現商号へ変更したうえで、株主総会の決議により今年2月29日に解散していた。 (株)DCは、1992年(平成4年)12月に設立された外食業者で、個室タイプの総合居酒屋から焼鳥などの居酒屋を経営していた。浜松市、磐田市を中心に店舗経営を行い、最盛期には7店舗を運営し、2016年10月期には年売上高約5億6700万円を計上していた。その後、2017年3月8日付で(株)AC〈当時:(株)こころ〉が当社を買収し、子会社としていた。 しかし、事業買収以前から借入負担が大きいなかで、新型コロナウイルス感染拡大以降は利用者が減少し、厳しい営業状況を余儀なくされ、2023年までには店舗経営から撤退し事業を休止。(株)ACの清算手続きに伴い(株)DCも株主総会の決議により今年2月29日に解散し、(株)ACに連鎖する形となった。 負債は、(株)ACが債権者約13名に対し約10億8000万円、(株)DCが債権者約8名に対し約2億6000万円で、2社合計約13億4000万円。 なお、(株)ACおよび(株)DCが運営していた一部店舗は別のオーナーによって継続されている。