会社の金を横領し妻子とも別居…パチンコから深みにはまり『ギャンブル依存症』に 35歳男性の“転落人生”
■書き出して心の中と向き合う…依存症の治療を行う病院
ただ、治療ができる病院もある。岐阜県各務原(かかみがはら)市の「各務原病院」は8年前、県内で初めてギャンブル依存症の対応に乗り出した唯一の病院だ。
ギャンブルがしたくなる場面や要因をテキストに書き出し、依存から抜け出した生活を想像しながら気分転換の方法などを考えていく。
月に2回、総勢20人ほどの依存症患者が集まり、回復を目的とする治療プログラムを行っている。 ギャンブル依存症は、アルコールや薬物とは違って「行為」に対して依存するため、より精神面での治療が必要だ。有効な治療薬はないが、自分の「心の中」と向き合う対話を用いて、具体的な対処方法などを探っているという。 各務原病院の天野雄平理事: 「ギャンブルを起こしやすいきっかけですね、多くはストレスがあってむしゃくしゃしたときとか、急なお金が手に入ったときとか、そういう引き金になりやすい状況についてお互いに話し合って。例えば給料日であれば、必ず早く家に直帰するような予定を立てるとか、ストレスがあった時は、こういうことをしてストレスを軽減させるとか、そういったものを準備したりしていく方法です」 ギャンブル依存症は、原因はわかっていても難しい心の病だが、この病いは助けを求めることができる。 天野雄平理事: 「1人でどんどん借金を膨らませるとか、あとはその借金を家族が肩代わりして家族の中だけでなんとか解決しようとすると、取り返しのつかないことになってしまう。ギャンブルで負けを返そうとし始めたりするので、そうなってしまうと、完全に依存症で止められなくなってきてしまうし、負けが増えるほど正常な判断もできなくなってくるので。適切な対応をすることで回復の可能な病気でもありますので、そういうことが広く伝わるといいのかなと思います」 2024年5月10日放送