会社の金を横領し妻子とも別居…パチンコから深みにはまり『ギャンブル依存症』に 35歳男性の“転落人生”
■会社の金を横領し妻子とも別居…35歳男性「やめられるものならやめたかった」
愛知県に住むタケルさん(仮名・35)は、学生時代に友人から誘われたパチンコがギャンブルへとのめり込んだ入口だった。
「銀行や消費者金融でお金を借りたりというのが始まりだった」というタケルさんは、その後もオンライン競馬にはまり、借金はどんどん膨らんでいった。 タケルさん(仮名・35): 「きょうはいけるだろう、きょうはいけるだろうみたいな感覚でどんどん増えていったっていうイメージですね。1日10万円くらい借りて競馬で使う。終わる頃にはそれ以上稼いで返せるというイメージでいるんですよね」 「きょうはいける」「取り返せる」。ギャンブルに勝った経験とその興奮は、どんどんタケルさんの心を焚きつけた。 Qどこかのタイミングでやめようとは思わなかったのか タケルさん(仮名・35): 「やめたかったですね、やめられるものなら。だけどその頃にはもう借金もすごいあったし、返済に追われてギャンブルで返すしかないというような感覚。ギャンブルで当てれば借金もなくなるし、それをずっとやめる直前まで思い描いていました」 やめられるはずが、やめられずにずるずると…。背負った損失を取り返すために、勤務先の金融機関で800万円を横領し、懲戒解雇された。そして、妻と幼い子供2人とは別居することになった。
タケルさん(仮名・35): 「家族の生活を脅かしてはいけない。表面上はお金を持っているような形を見せないといけないということを自分で脅迫的に思ってしまって。あたかもお金に困っていないというのを見せていた。“ギャンブル依存症”は知っていたんですけど、自分はそんなことないとずっと思っていましたし、借金さえなくなれば別にギャンブルなんてしないし、というのはずっと思っていました」 タケルさんは現在はギャンブルから手を引いているが、目を背け続けた依存症で「家族との生活」を失った。大金が動き、すぐに取り戻せるという「チャンスの可能性」が、心を惑わせているのかもしれない。 タケルさん(仮名・35): 「気付くのはやっぱり難しい病気だと思います。本人は気付いていたとしても、周りが気付くというのは難しいですね。よっぽどお金でいろんなトラブルが出てこない限り、難しいと思います。そういう病気なんですよね」