国語力「過去最低」の衝撃! 今こそ知りたい麻布中学の先生の「子どものことばの育て方」
文部科学省が発表した2024年4月に実施した全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果によると、中学国語の正答率が過去最低となりました。 【画像】麻布中学の先生とドラえもんから学べる「子どもの読解力の伸ばし方」 特に「読む」技能や「記述式」の正答率が低く、文科省は「子どもたちには多様な文章に触れさせることが必要」としています。 家庭状況と保護者の教育に関する考え方等に関する調査では、 ○児童のSNSや動画視聴時間が長いほど、各教科の正答率が低い傾向がみられる ○家庭にある本の冊数が少ない児童や生徒ほど、各教科の正答率が低い傾向がみられる という調査結果もあり、「読む経験」がどれだけ重要かダイレクトにわかる結果となりました。 スマホやタブレットなどの動画の視聴だけでは、どうしてもことばにふれて相手の気持ちを想像する経験ができません。他人の感情のを想像しづらくなり、人間関係の構築も難しくなります。 国語教育で定評のある麻布中学の中島克治先生は、子どもたちには、暮らしの中で楽しみながら語彙力・読解力を身につけ、自分の心の中を表現できるようになってほしいと説いています。ここではその監修書から、子どもの言葉を伸ばす方法を紹介します。 ※本稿は、『小学生のためのドラえもん読解力をつけることば図鑑』(藤子・F・不二雄・原作、中島克治・監修、小学館刊)から一部抜粋・監修したものです。
「色」のことばを使ってみよう!
「色」が、気持ちや表情をあらわしている言い方はたくさんあります。たとえば、 「ドラえもんがネズミを見て顔色を変えた。」 「目の色を変えてどら焼きに飛びつく」などです。 物のようすを表す色もたくさんあります。 「パンがこんがりきつね色に焼けたね」 「雪であたり一面銀世界だね」 などと会話に取り入れると、子どもは自然に語彙を増やすことができます。 ことわざや慣用句でも「色」をつかったものはたくさんありますので、どんどん使ってことばを彩ってみましょう。
ことばを言いかえてみよう!
読解や表現の基礎となるのは「語彙」。 生活の中で多く使われることばも、物語文や説明文を読むためにたくさん出てきます。同じ意味のことば(同音異義語)なども日常生活の中で知識を増やしていきましょう。 漢字の勉強にもなりますし、並べて意味を確認するとわかりやすいですね。 また、日記や作文では「楽しかったです」「おもしろかったです」など、いつも同じことばを使いがちです。 同じような意味でもいろいろな言い方があるので、毎日の会話の中で意識して使ってみるといいですね。
例えば「いちばんいい」と言いたいときも、 「公園で遊ぶにはこのうえない天気だね」 「パパはクラスきってのスポーツマンだったんだよ」 などと言うと、子どもは自然に違うことばに触れることができます。 語彙や知識が増えると、文章を読むことも楽しくなりますね。文学作品がハードルが高い場合は、心情表現に優れたマンガもおすすめです。 読解力は勉強のためだけでなく、人が豊かに生きていくために必要な判断力や思考力のベースにもなります。 毎日の生活の中で楽しくことばを増やしていきましょう。
nobico(のびこ)編集部