キャッチボールをする才木（撮影・上田博志）

　11月の「ラグザス　presents　第3回WBSCプレミア12」に臨む侍ジャパン28選手が9日、発表され、阪神からは才木浩人投手（25）と森下翔太外野手（24）が選ばれた。キャリアハイの13勝を挙げた才木は初の侍ジャパン入りで、森下は昨秋と今春に続く“3大会”連続。26年の第6回WBCまで続投が正式に決まった井端弘和監督（49）とともに、秋の世界一を目指す。 　　　　◇　　　◇　　　◇ 　世界へのビッグステップだ。プロ入り初めて日本代表に名を連ねた阪神才木は「素直にうれしい。自分らしく試合を楽しみながら、強気の投球で貢献できるように頑張ります」と意気込みを語った。先発が予想される12日のCSファーストステージDeNA戦の初戦（甲子園）を前に、一層気合が入る朗報となった。 　自己最多の13勝（3敗）、防御率1・83と先発の柱に成長。チームの連敗をことごとく止める心身のたくましさも身につけ、文句なしの選出となった。20年オフに右肘のトミー・ジョン手術を受け、今年は初めて年間通じてフル回転。さらに、まだCS、日本シリーズと戦いが続く。そのため、11月の国際大会には「少し悩みました。これだけ投げているので（体を）休ませた方がいいかなと思いつつ」と正直に明かした。 　だが、それ以上に成長したい気持ちが勝った。「いろいろな選手も来るし海外の選手とも対戦する。何か感じるものがあればと思うし、せっかく選んでいただいたならしっかり学んで来年の自分、野球人生に生かしたい」と目を輝かせた。 　衝撃の“膝つき弾”が向上心を促した。昨年3月のWBC直前、侍ジャパンとの強化試合に先発したが、現ドジャースの大谷に低いフォークを中越え本塁打された。当時は「ベストボールを片手で…」とショックを受け、ワールドクラスを肌身で感じた。実体験をもとに、フォークも真っすぐも改良。WBCでの世界一、そして選手としても世界水準を意識しながらチームのエース格に成長した。 　「ゆくゆくは、そういう（世界の）一番というところに行きたいので。一番大事なのはシーズンでどれだけ結果を出せるか。これからの代表とかに選んでいただけるように、シーズンで頑張っていきたい」 　井端ジャパンで臨む26年の第6回WBCのメンバー入りも目標になる。だが今は目の前に果たすべき仕事がある。まずは12日のDeNA戦で侍選出御礼快投で応える。そしてCSを突破して2年連続日本一へ。最強右腕の称号とともに、日の丸ユニホームに袖を通したい。【柏原誠】