カープ田村 3安打2打点で主役張った 「真っすぐをはじき返せた」高橋宏撃ち 新井監督「自信にして」
「オープン戦、中日0-10広島」(23日、Agreスタジアム北谷) 広島は14安打10得点と野手陣が奮起してオープン戦初戦を大勝した。猛アピールしたのは、プロ3年目の田村俊介外野手(20)だ。「2番・右翼」でフル出場し、3安打2打点と大暴れ。17日からの練習試合3試合で結果が出ていなかった中、存在感を高めた。勢いを加速させ、ここから本格化する外野の定位置争いを勝ち抜く。 【写真】ソロ本塁打を放った中村健を迎える新井監督 むっちゃいい笑顔 力負けしなかった。鋭く振り抜いた打球が歓声とともに、外野の間を抜ける。田村は二塁を蹴ると、勢い良く三塁へ滑り込んだ。注がれる拍手の大きさが、今季の期待度を表していた。オープン戦初戦で3安打2打点と主役に躍り出た。 見せ場はいきなり訪れた。初回無死二塁、カウント2-2から高橋宏の高め直球を叩いて右越えへの適時三塁打。「ストレートに若干、差し込まれている感じがしたので真っすぐタイミングでいきました。追い込まれて、真っすぐをはじき返せたのは良かった」。昨季セ・リーグ2位の145奪三振を記録した相手右腕から、価値ある快音を響かせた。 中京大中京出身の高橋宏は1学年上。愛工大名電の中心選手として何度か対戦があるというが「あんまり覚えていない。結果、ダメだった」と記憶を思い起こす。愛知を代表する強豪校でしのぎを削った間柄。この日は田村のバットに軍配が上がった。 続く三回1死でも追い込まれながら土生の直球を左前へ運んだ。七回は2死二塁の好機で右前適時打。1ボールから梅野の真っすぐを捉えると、打球は一、二塁間を破った。広角に打ち分け、3投手から全て直球を仕留めて3安打。非凡な打撃センスを存分に見せつけた。 対外試合初戦となった17日の練習試合・ロッテ戦で右越え2ランを放つも、対外試合3試合は計10打数1安打。それでも「特に修正したことはない。自分のタイミングで打てている」と焦りはなかった。 18日の阪神戦から3試合続けて2番を担った。「ヒットじゃなくて進塁打でもOKだし、それなりの評価をしてもらえると思う。ただヒットを打つだけじゃなく最低限の仕事をしたり、そういう部分も求めてやりたい」。自己犠牲の打撃や四球でも構わない。「H」ランプをともすことだけがアピールではないと自覚する。 3安打に新井監督は「日々、成長してくれている。元々、強い真っすぐにも振り負けない。(初回の適時打は)好投手からでもあるし、自信にしてもらいたい」と称賛した。「このまま順調に、いい結果を出し続けられるように」と田村は外野の定位置争いに視線を向けた。覚醒の予感が漂う鯉のホープ。この勢いでレギュラーに突き進む。