お金がなくても大丈夫!? 首位ジローナの予算はバルサの20分の1 岡崎慎司も指導した監督の手腕が光る
「バルサのやりたいサッカーでバルサを撃破!」 昨年12月、ジローナがアウェーでバルサを2-4と下した試合後、スポーツ紙は殊勲を称賛したが、それはジローナというクラブにとって、ひとつの結実だったかもしれない。 「バルサ関係者がミチェル監督に接触」 そんな報道も出たが、あり得ない話ではないだろう。 ミチェルはラージョ・バジェカーノ、ウエスカを2部で優勝させ、1部昇格に導きながら、すぐクビを切られた経験があり、指揮官として厚みを増した。柔軟な指揮官で、選手のよさを引き出すためにはフォーメーションにこだわらない。4-3-3はベーシックだが、3-4-2-1、4-2-3-1も駆使。選手の組み合わせや対戦相手との噛み合わせなど、いくつもの選択肢のなかから最善を見出すことができる。 一昨シーズン、ミチェルはジローナを率いて1部に昇格させた後、昨シーズンは10位と土台を築いて、今シーズンは一気に力を解き放った。 「ミラクル・レスターの再現か?」 2015-16シーズン、岡崎慎司などを擁してプレミアリーグを制したレスター・シティの躍進になぞらえる声もある。率直に言って、ジローナがこのサッカーでラ・リーガ王者になったら、それ以上の衝撃だろう。余談だが、ミチェルはウエスカ時代に岡崎の力を最大限に引き出し、ともに1部に上がっている。 モンティリビでは今、夢が見られる。
小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki