枠組みにとらわれない独創的な世界観…並みいる芸術家押しのけ小学生・ポヨヨン太郎さん描く「ちんちんまんだら」優秀賞 タガワアートビエンナーレ「英展」
芸術の枠組みにとらわれない先鋭的な作品を公募する第4回タガワアートビエンナーレ「英展」(福岡県・田川市美術館主催)で、鹿児島市の小学6年生「ポヨヨン太郎」こと西村太郎さん(11)が大賞、準大賞に次ぐ優秀賞を受賞した。並みいる芸術家を押しのけ、18歳以下が受賞するのは初めて。 【写真】第4回タガワアートビエンナーレで優秀賞を受賞したポヨヨン太郎さんの「ちんちんまんだら」(田川美術館提供)
受賞作は、半紙に毛筆で描いたキャラクター36枚を組み合わせた「ちんちんまんだら」。年齢を伏せた審査で「一つ一つのグレードが高く、バリエーション豊かで同じような系列のものがない。ちゃんと曼荼羅(まんだら)になっている」(美術家・田島征三さん)と高い評価を受けた。 母の亜希子さん(50)によると、4歳頃からキャラクターを描き始めた。「うんことちんちんの世界」をベースに誕生した独創的なキャラクターは、2022年5月からミニコミ誌「ハチロクニュース」の表紙も飾る。自由に描くことを信条にし、思いつくと集中して描き出し、「神様からアイテムをもらっている感じ」と太郎さんは言う。 21年の「2人展」を皮切りに、今年は個展も開催。「英展」では前回22年の最年少入選に続いた。亜希子さんは「大きな作品に仕上げたのは初めて。毎日こつこつ描いていた」。描き上げた200枚から60枚、36枚と厳選していった作品で22歳以下の賞を狙ったが、評価は想像以上だった。
太郎さんは「すごい賞が取れてめちゃめちゃうれしい。たくさん絵を描いてスターになりたい」と話す。12月18日には鹿児島市の東郷音楽学院である、コメディアン村本大輔さんの独演会の前座でライブペインティングを行う。 英展は7日~2025年2月2日、福岡県田川市の田川美術館であり、入賞9点と入選60点を展示する。361点の応募があり、大賞は都城市の森元嶺さん。鹿児島県関係では、徳永隆さん、野平智広さんが入選した。
南日本新聞 | 鹿児島
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