マイナス20度で“1000馬力のスーパーカー”を運転!? 中国・内モンゴルで開催された「ランボルギーニ」のオーナーイベントが凄かった
5台のランボルギーニを乗り比べ
今回のイベントでは、ランボルギーニのフラッグシップモデルで最高出力1000psオーバーの「レブエルト」、ウラカンの最終モデルでオフロード走行も視野に入れた4輪駆動の「ウラカン・ステラート」、同じくウラカン最終期のモデルでスポーツ性とラグジュアリー性を両立させた後輪駆動の「ウラカン・テクニカ」、ランボルギーニSUVのなかでもっともパフォーマンスを強く意識した「ウルス・ペルフォルマンテ」、同じウルスでも快適性をより重視した「ウルスS」の5モデルを用意。 走行するコースや走行の目的にあわせて、このうちの2~3モデルを常に乗り比べるチャンスがありました(ウルスの2台はどちらも4輪駆動)。
一般的にいって、雪上や氷上を走るなら安定性に優れてトラクション性能も高い4輪駆動のほうが後輪駆動や前輪駆動より有利とされます。それ自体は間違いないのですが、同じ4輪駆動でもクルマの性格が大きく異なることには驚かされました。 たとえば、トルセンデフで前後の車軸に駆動力を配分するウルスの2モデルがアンダーステア傾向なことは予想ができましたが、ウラカン・ステラートは電子制御式トルクスプリッターを用いているにもかかわらず、ウルスよりも明確なアンダーステアに躾けられていたのです。 これら3台に比べるとレヴエルトのアンダーステアははるかに軽く、ニュートラルステアに近い印象。 おまけに1000ps超のパワーは圧倒的で、ちょっと乱暴にアクセルペダルを操作すると簡単にスピンしそうになりますが、そんなときにも慌てることなく、自分が進みたい方向にステアリングを切りながら軽くアクセルペダルを踏み続けると、意外にも姿勢を立て直せることに気づくはずです。 これは、モーターによって駆動される前輪が進行方向に向けてクルマを引っ張ることでスピンを回避する作用を生み出しているためです。 これに比べると、後輪駆動のウラカン・テクニカは、テールが滑り始めたときに素早いカウンターステアと繊細なスロットルコントロールが必要となるため、多くの参加者からは“不人気”でしたが、私はこうした特性のほうが身体に染みついているせいで、むしろウルスやウラカン・ステラートよりコントロールしやすいと感じました。 そのいっぽうで、自分が苦手なウルスやウラカン・ステラートもいつか自在に操れるようになりたいと思ったのも事実。 なので、次にまた「ランボルギーニで雪や氷の上を走りませんか?」と訊ねられたなら、私は即座に「はい、走ります!」と答えることでしょう。
大谷達也