鍵山優真がSP首位 NHK杯2連覇へ好発進「練習通り、最初から最後までできた」/フィギュア
フィギュアスケート・GPシリーズ第4戦NHK杯(8日、東京・国立代々木競技場第一体育館)ショートプログラム(SP)が行われ、男子は今季GP初戦の鍵山優真(21)=オリエンタルバイオ・中京大=が、105・70点で首位に立ち、大会2連覇へ好発進した。ペアは、「りくりゅう」こと三浦璃来(22)、木原龍一(32)=ともに木下グループ=組が71・90点で首位に立ち、GPファイナル(12月、フランス・グルノーブル)出場に前進した。 絶好調の21歳が〝大人の魅力〟で会場を沸かせた。鍵山がノーミスの演技を披露し、今季のSP自己ベストをマーク。スタンディングオベーションに、満面の笑みでピースサインを繰り出した。 「練習通り、最初から最後までできた。お客さんや、自分自身を引き込めるような滑りができたんじゃないかな」 シックな黒の衣装で、「サウンド・オブ・サイレンス」のしっとりとした曲調に合わせて、滑らかなスケーティングを披露。冒頭の4回転サルコー、4回転―3回転トーループの連続ジャンプ、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も軽やかに成功させた。シーズン初めに、「より大人っぽく、シニアの貫禄ある滑りを見せたい」と語っていた通りの演技で、今季のGPシリーズ自身初戦で好発進した。 2022年北京冬季五輪で銀メダルを獲得。ただ、22-23年シーズンは左足首のけがでほとんど試合に出られず。復帰した昨季は、NHK杯で優勝、GPファイナルで3位に入った。けが以降は、「睡眠は7、8時間取ること、食事は3食バランスよく食べること」など生活の基礎を整えてきた。その結果、「(北京)オリンピックを思い出すような調子の良さで。練習でも、自分の世界に入りすぎず、周りに飲まれすぎずというバランスがちょうどいい」と手応えを得た。 今年5月に宇野昌磨さんが現役を引退。日本の新エースとなった。ただ「みんなで切磋琢磨していく感じ」と気負いはない。連覇もかかる9日のフリーに向け、「300点は超えたい。自分も会場も盛り上げられるようなかっこいい滑りがしたい」。表情を引き締め、大人の風格で勝ち切る。(高橋朝香)