<春に挑む2024・熊本国府「主役」紹介>/中 競い高め合う二枚看板 /熊本
「あいつはライバル。負けたくないです」と互いに意識し合う。2人のエース、右の坂井理人(まさと)(2年)と左の植田凰暉(ごうき)(同)だ。昨秋は熊本県予選からほとんどを2人で投げて、九州地区大会優勝に貢献した。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 米大リーグの山本由伸投手を意識した右の本格派坂井に対し、左の変則サイドスロー植田。タイプは異なるが、堅守の守備陣を信頼して「打たせて取る」投球で試合のリズムをつくる点で共通する。 公式戦を通して2人の防御率は、坂井が2・17、植田が1・8。それぞれが完投した試合があった一方で、その多くは坂井から植田につなぎ、勝利につなげた。 この冬、坂井は「球速アップ」、植田は「制球力アップ」を目標に掲げて走り込みなどの猛練習に取り組んだ。その姿に、他の選手たちも引っ張られた。2人の体重は3キロ増え、特に体幹や下半身が強化されたという。 ライバル視するだけではない。植田は坂井を「テンポが良く完成度の高い投手」、坂井は植田を「打ちづらさとピンチでもぶれない強いハートが武器」とそれぞれの良さも認める。 競い合い、ともに高め合う。2人のエースが熊本国府を更に強くする。【野呂賢治】