おおきなかぶ、ごんぎつね…懐かしい!今の教科書にも載っている物語
通常4年ごとに改訂される国語の教科書ですが、おうちのかたが小学生だったころから掲載され続けている「定番」の物語があります。今回は、そんな「定番」の物語と今の授業についてご紹介します。
読み継がれている「定番」の物語
一口に「国語の教科書」といっても、扱う作品は教科書会社によって異なります。 また、教科書は通常4年ごとに改訂されるため、国語の教科書に掲載されている作品も、その多くは4年ごとに変わります。 しかし、そんななかで何十年も掲載され続けている物語があります。たとえば、以下の作品です。 「おおきなかぶ」 「お手紙」アーノルド=ローベル 三木 卓/訳 「一つの花」今西 祐行 「ごんぎつね」新美 南吉 「大造じいさんとガン」椋 鳩十 「やまなし」宮沢 賢治 さて、この中の「ごんぎつね」という物語はご存じでしょうか。 きつねの「ごん」が村人の「兵十(ひょうじゅう)」にいたずらの償いとして栗やまつたけをこっそり届け続けますが、それを知らない「兵十」は火縄銃で「ごん」を撃ってしまう……というお話です。 「やまなし」はカニの兄弟とそのお父さんのお話です。 それよりも、「クラムボンが出てくるお話」といったほうがわかりやすいかもしれませんね。 谷川の底にいるカニの兄弟は、魚、カワセミ、花、やまなしなど、いろいろなものを目にします。水中の情景描写や色彩表現も印象的な物語です。
「物語」の授業の変化
保護者世代の「物語」の授業では、「文章を読んで情景を想像し、登場人物の気持ちを読み取る」、つまり「文章を理解すること」が中心でした。では、今の小学校ではどのような授業が行われているのでしょうか。ご担当の先生や学習する教科書によっても異なりますが、主な授業内容をご紹介します。 ①文章の内容に入る前に、これまでの学習を振り返ったり、リード文や学習目標を確認したりして、学習の見通しをもつ。 ②初めて読んだときの感想を書く。 ③登場人物を整理する。登場人物の行動や気持ちの変化を捉えて、自分の考えをまとめる。 ④③でまとめたことを発表し合い、他の人の考えと共通していること、違っていることをグループで話し合う。 ⑤話し合ったことをもとにして、自分が気付いたことをまとめる。 ⑥学習したことを振り返り、身に付けたい力をおさえる。 ⑦作者について図書館で調べたり、同じテーマの本を探したりして、読書の幅を広げる。 このように、今は文章を理解するだけでなく、学習の振り返りや見通しをもつこと、文章に対する感想をもつことや気付いたことをまとめること、他者との交流をとおして自分の考えを深める授業が行われています。「定番」の物語であっても、授業の内容は昔のままではないのです。 【今の授業で大切にされていることは……】 ・学習の振り返りや見通しをもつこと。 ・交流をとおして自分の考えを深めること。