日系の航空券が高いのはワケがある? ロストバゲージにみる懇切丁寧な対応、関空30年間「ゼロ」も納得か
ロストバゲージの定義
2024年4月、関西国際空港が開港30年間でロストバゲージが1件も発生していない空港として世界的に表彰されたことは記憶に新しい。 【画像】えっ…! これがJALの「年収」です(計11枚) ロストバゲージとは、 「飛行機に乗る際に出発空港で預けた荷物が、目的空港に到着しても受け取れないこと」 を指す。また、ロストバゲージには、 ・現在位置がわかっているもの ・どこに行ったかわからないもの の二種類がある。 本稿では、ロストバゲージの原因がわかっていることを前提に、それを防ぐために日本の空港がどのような取り組みをしているのか、また、自分で防ぐにはどうすればいいのかを中心に解説する。
異常検査時の対応策
まず、これは基本的にどこの航空会社でも実施していると思うが、搭乗手続きの締め切り時に、荷物の個数を ・システム ・外で積み込むスタッフ とで相互確認している。特に日本では、荷物の個数が合わない場合、ギリギリまで荷物がどこにあるか探す。 荷物をベルトコンベヤーに載せて検査する前、ベルトに異常が発生し、別の航空会社の仕分け場に運ばれたり、荷物のなかに飛行機に載せられなかったりしたと思われるものがあれば、検査のためにベルトコンベヤーを回り続けることもある。そのため、荷物がなかなか仕分けエリアに降りてこないのだ。時間の許す限り、他部署と連携してくまなく探すのが日本のスタイルだ。 テロ防止の観点からも、飛行機は「人は乗らず、荷物は載る」というわけにはいかない。乗客が突然搭乗を取りやめた場合、必ず荷物も下ろされる。一方、「荷物は載らず、人は乗る」ことはあり得る。なぜなら、荷物を載せて自分は助かる――というテロの心配がないからだ。 荷物の積み込みが間に合わない場合、外国では荷物を積み込まずに出発し、その事実を客に知らせないことがある。しかし、日本では時間の許す限り荷物を探す。現役の航空会社社員である筆者(ジーナ、旅行ライター)の経験からも、システムに登録されている荷物タグの数と、実際に積み込まれた荷物の数が一致しないと不安になるので、見当が付くところであればどこでも探してもらう。それだけ日本の空港は「きちんと届けよう」という意識が強いのだ。