「あとに残る努力」の技法。目標達成日誌のススメ
米ライフハッカー編集部はこれまでも、仕事上の達成を日誌として記録しておくようすすめてきました。 記録しておけば、上司や人事部に対して昇進を願い出たり、批判に反論する必要が出たときに、自分の達成をすぐにアピールできたりします。 しかし、目標達成を記録に残しておくべき理由は、それだけではありません。 自分が成し遂げてきた仕事や、タスクをどうやってこなしてきたかを振り返り、それまで重ねてきた努力を思い出せば、モチベーションも湧いてくるからです。
目標達成を日誌に記録しておくべき理由
仕事について日誌をつけるなんてつまらなそう、と思われるかもしれません。しかし、ジャーナリング(日誌つけ)は有益な習慣です。 仕事の進捗状況を物理的に記録しておくと、目標達成の確率が高くなることが、米国心理学会のサイトで紹介された研究で明らかにされています。日誌をつける、特にそれが物理的・視覚的な記録であれば、よりタスクに集中しやすくなるのだそう。 しかし、ジャーナリングの何よりも良い点は、目標を達成したときに、その「大きな勝利」について書き残せることです。 転職の専門家Elaine B. Piper氏がLinkedInへの投稿記事で説明しているように、達成日誌をつけておくと、過去に立てた目標について確認できるため、次の目標を設定するうえで参考になります。 また、過去に成し遂げたことを振り返ることは、自信へとつながります。 つまり、これから取り組む仕事に自信が持てないときには、日誌を見て過去を振り返り、以前にも同じような課題を乗り越えたことを再確認すればいいのです。
目標達成日誌のつけ方
目標達成日誌は、仕事の目標別に記録するのがおすすめです。たとえば、あなたはレストランのホールスタッフとして働いていて、高級ワインを週に10本注文してもらうという目標を立てたとします。 達成日誌には、この目標について書き込むセクションを設けましょう。そして、ワインの注文本数に加えて、注文につながった理由などの詳細も、1週間毎日書き込んでください。 お客さんがワインを注文したのは、あなたがそのワインの背景について説明したあとだった場合もあるでしょう。ワインの注文がもっとも多いのは、夜の8時から10時までの時間帯だという気づきがあったかもしれません。 明確な目標を定めて日誌に書き込み、いつも確認できるようにしましょう。加えて、具体的な対策、つまり目標達成に向けて自分ができそうなことを書き出します。あとは、対策を実行したか否か、いつ実行したかを詳しく記録していってください。 コツは「率直に」 上司やクライアント、お客さんからもらったフィードバックの内容のほか、賞などをもらって高く評価されたこと、目標を達成できなかった場合なども忘れずに記録しましょう。この日誌は自分のためのものです。 自らの目標達成について職場に提示するための資料の土台にはなりますが、人事部との面談の結果を左右するものではありません。なので、成功も挫折も、率直に記録してください。 たとえ小さなことでも、成果をあげたのならすべて書き込みましょう。普段ならワインの注文が2本しか入らないのに、ある夜は3本の注文が入ったとします。大した差はないと思えても、日誌に書き加えましょう。 ハーバード・ビジネス・スクール教授のTeresa Amabile氏が、小さな成功を認める習慣について行なった研究によると、「日々の小さな達成事項を記録している人はモチベーションが上がりやすい」のだそうです。 ──2023年8月20日の記事を再編集のうえ、再掲しています。 訳: 遠藤康子(ガリレオ) Source: American Psychological Association, LinkedIn, Harvard Bussiness Review
ライフハッカー・ジャパン編集部