桜田ひより&細田佳央太が丁寧に紡ぐリアル――「あの子の子ども」インタビュー
──原作を読んだ印象はいかがですか? 桜田 「考えている時の顔、人によっては冷たく捉えらえてしまう表情などが、とてもリアルに描かれていて、心に刺さる作品だと思いました。福と宝が2人でいる時は、ほっこりする温もりや、ふいに笑みがこぼれてしまうくらいかわいらしく描かれているのに、テーマはとても考えさせられるもので…いろいろな感情になれる作品です。だからこそ、ドラマでは表情のその先にあるものが伝わるように演じています」 細田 「ドラマの出演が決まってから原作を読んだのですが、『なんでもっと早くこの原作を知らなかったのだろう!』というくらい、若い世代が知らなければいけないことや学校から教わらない部分が丁寧に描かれています」 ──では、原作からヒントを得たり参考にしていることはありますか? 桜田 「福は、心の中でいろいろなことを考えているのですが、言葉にすることが不得意です。でも、表情で相手はもちろん、読んでいる人に伝える表現が多いなと思いました。なので、私も目線や目の動きで福の気持ちを表現するように心がけています」 細田 「ドラマ化するにあたって、演じすぎてしまうと非現実感が増してしまうかもと思い、そこまでキャラクターを作っていません。ですが、最近緊張すると手が冷たくなってくるんです。宝とリンクし始めているかもしれません(笑)」
──桜田さんは福と似ている部分はありますか? 桜田 「動物が好きというところですね! 実は、猫の祝(はじめ)ちゃんには1回しか会えていないのですが、目がくりくりで、すごく毛並みが奇麗で本当にかわいいです。家にいたらいいなと思っています(笑)」 ──逆に似ていないという部分というと…? 桜田 「福は心で考えるタイプなのですが、私は頭で先に考えてしまうタイプなので、素直に感情が揺れ動くところがうらやましいです」 ──高校生役を演じるにあたって、難しいと感じることはありますか? 桜田 「見た目は、みんなが『大丈夫』と言ってくれるので信じています(笑)。高校生って私たちから見たらまだ子どもだと思いますが、高校生からすれば『もう幼くないし、大人』と思うこともあるはずなので、演じる心のバランスが難しいなと思います」 細田 「僕は、高校生っぽく演じようとはあまり考えなかったので、割とフラットにできている感覚です」 桜田 「回想で中学生役をやるときは、『本当に大丈夫かな?』と思ったんですが、細田さんはどうでしたか?」 細田 「中学生役は、さすがにやばいと思いましたね。撮影は一瞬だったので、声を高くしたりして表現しました(笑)」