【MLB】 ヤンキース対ガーディアンズのリーグ優勝決定シリーズを展望 7度目の決戦はヤンキース有利?
ブルペン勝負の接戦に持ち込みたいガーディアンズ
ガーディアンズのブルペンはシーズン中はMLBダントツの防御率2.57を記録。防御率0.61の絶対的守護神エマニュエル・クラセ、奪三振力が武器の新人ケイド・スミスらを筆頭に防御率1点台以下が5人(30回以上)と、これ以上ないほど盤石だ。地区シリーズではクラセが捕まる場面もあったものの、ブルペンを早めにつぎ込む継投プランが奏功し、シリーズ突破を手繰り寄せた。 対するヤンキースブルペンは、プレーオフでまた1点の自責点も許していない。特にルーク・ウィーバーとクレイ・ホームズの新旧クローザーコンビは鉄壁だ。 しかし、ガーディアンズのブルペンが地区シリーズで25.2回(5試合)を消化したのに対し、ヤンキースブルペンは15.2回(4試合)。ヤンキースはその分、先発投手が長いイニングを投げているとはいえ、ブルペン単体で見ればウィーバー&ホームズへの依存度が高い。手駒の多さという面では、やはりガーディアンズに軍配が上がるかもしれない。 結局のところ、打力では明確に水をあけられ、強みのブルペンではヤンキースブルペンにそこまで差をつけられていない現状、ガーディアンズはやはり不利だ。 ただ、ガーディアンズにとって朗報なのは、懸念されていた先発ローテが踏ん張っていることだ。1番手タナー・バイビーは8.2回を2失点、左腕マシュー・ボイドは6.2回無失点と、少なくとも2人の計算できる先発投手が確立された。 打ち合いになっては到底不利なガーディアンズは、なんとしても接戦に持ち込む必要がある。ブルペンのフル回転で乗り切れた地区シリーズとは異なり、最大7戦のリーグ優勝決定シリーズでは先発投手がイニングを消化する必要がある。そして、打線もヤンキースの先発を打ち崩し、ロースコアのブルペン勝負に持ち込むのが理想だろう。 一方で、ヤンキースとしては横綱相撲に持ち込みたいところだ。そのためには地区シリーズでは2試合にわたって好投したゲリット・コールら、先発投手の働きが鍵を握る。先発投手がまとまったイニングを投じ、ガーディアンズとの真正面でのブルペン勝負を避けられることができれば、勝ち筋は見えてくる。また、仮に先発が打ち崩される事態に陥っても、ジャッジが本来の実力を発揮し、リーグ最強の打線が目覚めれば、突破の公算は大きいはずだ。