【KNOCK OUT】「ある程度がめつくないと勝ち残れない」という古村光「正直、相手はどうでもよくて、優勝賞金がほしいというだけ」
2024年12月30日(月)神奈川・横浜武道館『KNOCK OUT K.O CLIMAX 2024』にて、「KICKBOXING JAPAN CUPスーパーバンタム級トーナメント」に出場する古村光(FURUMURA-GYM)のインタビューが主催者を通じて届いた。 【写真】トーナメントに勝ち残った4選手 古村はタイ・ラジャダムナンスタジアムのリング(新人戦)にも上がり、勝利を収めている。2019年に選手発掘のため行われた『K.O TRYOUT』でTRYOUT生に選ばれたサウスポー。2023年8月、壱を判定2-1で破りKNOCK OUT-REDスーパーバンタム級王座を奪取したが、2024年4月の再戦では判定で敗れ王座を奪われた。11月の1回戦では佐野祐馬に2RでTKO勝ち。戦績は9勝(7KO)4敗1分。 ■『やっぱり強いな』と思わせるのは自分 ──11月の1回戦、佐野佑馬戦は快勝でしたね。改めて振り返ると? 「トーナメント初戦で、無事にケガなく終われたのがよかったかなと思います。ただ、自分としてはやっぱり倒し切りたかったんですよね。ヒジでカットできたことはよかったんですけど、インパクトにちょっと欠けたところが残念というのが、自分の中ではあります」 ──1回戦はNJKFのリングで、いろんな団体から王者クラスが集まってのトーナメントでしたが、そこに関しては実際やってみてどうでしたか? 「やっぱり『KNOCK OUT』はレベルが高いなということが分かったので、そこは自分の中ですごく自信になりましたね。準決勝に『KNOCK OUT』勢が3人全て残ったというのは、素直にうれしかったです」 ──そして準決勝は抽選の末に、森岡選手との対戦になりました。4年ぶりの再戦になりますが、前回、古村選手は19歳だったんですね。 「ああ、そんな前になるんですね。5~6戦目ぐらいだったと思うんですけど、あの当時でも別に負ける要素はなかったかなとは思いますね。森岡選手は右ストレートが危ないなというイメージで、本当に一発だけ危ないヤツはあったんですけど、別にそれ以外は全然大丈夫だったかなと思います」 ──そこから、今の森岡選手の印象はどう変わっていますか? 「以前より、倒せる力はついたのかなというのはすごく思いますね。ただ、自分とはちょっとレベルが違うと思っています」 ──では今回の準決勝に関しては、どう戦ってどう勝ちたいと思っていますか? 「準決勝は本当にケガなくスパッと終わりたいなと思っているので、近距離の戦いになるんじゃないかと思います」 ──決勝のためにも、できるだけ早く決めたい? 「そうですね。たぶん向こうもそう思ってると思うので、お客さんとしても面白い試合になるんじゃないかなと思います」 ──勝てばもう1試合、決勝戦もあります。ワンデー・トーナメントというところに思うことは? 「ワンデーは初めてですけど、ある意味、気持ち的にはいつもと変わらない感じなんですよね。2回勝てば優勝というだけで、力みすぎるとそれこそヘマすると思うので、別にいつもと変わらず仕上げようかなと思ってます」 ──逆側のブロックの2人についての対策はしていますか? 「いや、基本的なことを重視してますね。しっかりガードしろとか。そういうベースのところは結局、どの相手とやるにしてもすごく大事なので、本当にそこをしっかりやっている感じです」 ──どちらに決勝に上がってきてほしいというのはありますか? 「自分的には、壱が上がってきてくれた方がおいしいんですけど、本当に分からないですよね。前田選手もけっこう危ないところはあるだろうし、もしかしたら壱がポカする可能性もあるし……そこは本当に分からないと思ってて。だからどっちが来ても全然大丈夫なように仕上げてます。正直、相手はどうでもよくて、優勝賞金がほしいというだけなので」 ──このトーナメントって、優勝すれば「55kgヒジあり日本一」を名乗れるメンバーだと思うので、そういう称号も得られますし、現役王者の壱選手に勝てば王座への再挑戦にも繋がってきます。でも今、一番出てきたのは賞金のことでしたね(笑)。 「自分的には賞金ですね(笑)。優勝すれば自然とタイトルも見えてくると思うし、別に、そこに向けて頑張ろうとかはないですね。『勝って稼いだろう』ぐらいの感じで。トーナメントのオファーを受ける時も、『賞金が出るから』って言われて『じゃあ出ます』みたいな感じで(笑)、本当に自分としては稼ぐためのトーナメントだと思ってるので。ベルトももちろんほしいんですけど、今は『稼ぎたい』が強いので、優勝して300万円をもぎ取りたいですね」 ──今回の4選手の中で、そこまで賞金の話をする選手は唯一です(笑)。 「じゃあ、僕が優勝ですね(笑)。やっぱりある程度がめつくないと、勝ち残れないと思うので」 ──欲が違うんだと。 「はい。みんな目の前の相手に勝たないとというのが強すぎると思うんですけど、自分はある意味ラフな状態で、そういう力みは絶対ないと思うので、優勝は自分ですね」 ──300万円がそんなにほしいのは、理由があるんですか? 「いえ、そういうのは本当になくて、とりあえず稼ぎたいという感じですね。ここでまとまった賞金が入ってくれば、それこそ練習道具を揃えたりとかもできるし、これからの試合で『稼がないといけない』みたいな邪念がなくせるじゃないですか。本当に強くなることだけを考えていれば、自然と稼げるという環境にしていきたいので。強さを求めるがゆえに稼ぎたいという感じです」 ──もう一つ、今回は横浜武道館で年末最後のビッグマッチです。そこについては? 「自分は、後楽園ホールより大きい会場でやるのは初めてなんですよね。だから緊張するかなとも思うんですけど、別に今の気持ちとしては変わらないですね。結局、リングの大きさは変わらないと思うし、相手も変わるわけじゃないので、別に会場に呑まれるとかはないと思います」 ──大きい会場といえば、11月にお兄さん(古村匡平)のカンボジア遠征ではセコンドにつかれていましたね。 「屋外で2~3万人入る会場で、アレはヤバかったですね(笑)。声援と生実況の声が大きくて、選手はセコンドがメッチャ叫んでいても全然聞こえなかったらしくて、セコンドの意味がなかったです(笑)。でもあそこまで会場がデカいと、逆に気にならなそうだなとは思いました。やっぱり大きい会場だと、後楽園ホールともまた違うと思うので、そのあたりの楽しみもありますよね」 ──『KNOCK OUT』のビッグマッチ自体が初めてでもありますしね。 「そうなんですよ! 代々木第二も2回とも出てないし、ビッグマッチはこれが初めてです。でもここで優勝して、来年以降のビッグマッチの顔になったら、また稼げるだろうし、オイシイですね(笑)」 ──結局はそこなんですね(笑)。 「最近気づいたんですけど、自分って、お金に貪欲になってる時って強いんですよ。そこをちょっと追求していこうかなと思ってます」 ──稼げる話を持ってこいよと。 「はい。もっとデカい賞金トーナメントを組んでほしいです」 ──では横浜のリング上で戦う古村選手は、目が「¥」マークになってそうですね(笑)。 「いや、『$』マークかもしれないですよ(笑)。自分はそれぐらいがめつく行った方が強いと思うので、そのモチベーションでいったろうかなと思います」 ──よく分かりました(笑)。では最後に、今回の試合で特に注目してほしいというポイントはどこでしょう? 「壱とかも含めて、みんなけっこう技術があると思うんですけど、自分も今はすごく技術面で成長しているし、『やっぱり強いな』と思わせるのは自分だと思うので、ただ試合を見ていてほしいですね。レベルの高さを見せます」
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