「JR貨物コンテナ弁当」が考えさせてくれる鉄道の役割とは?
【ライター望月の駅弁膝栗毛】 「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。 【写真全6枚】アレンジも嬉しい「きつねの鶏めし」がベースに
最近、よく耳にする「2024年問題」。一般に物流・運送業界における働き方改革によってドライバーの労働時間に上限が課されることで生じる問題をまとめて、そう呼んでいます。新年恒例の駅弁大会もまた、大変多くの物流業界の皆さんに支えられて成立しています。そんな時代の流れを感じさせてくれる駅弁を、駅弁大会の「輸送駅弁」のなかから見つけました。
京王百貨店新宿店「第59回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」見て歩き
2010年代前半、東北本線で北海道発着の夜行列車を牽いた電気機関車が、いまでは関西や日本海側の路線で貨物列車の先頭に立っています。この日はコンテナをたくさん載せた貨車を長々と率いて、大阪から京都へと入ってきました。いわゆる「2024年問題」真っ只中にあって、従来からニーズが高かった長距離輸送に加えて、中距離輸送についても貨物鉄道へのニ-ズが高まっていると言います。 (参考)JR貨物ニュースリリース・2023年12月15日分
1月22日まで開催された京王百貨店新宿店の「第59回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」に合わせ、今年(2024年)も新作が登場したのが、神戸を拠点に駅弁を製造する淡路屋の「JR貨物コンテナ弁当」。2年前の神戸のすきやき編、昨年の明石の鯛めし編に続いて、満を持して「京都の鶏めし編」(1680円)となりました。今回もディテールまで再現された「JR貨物18D型コンテナ」がモチーフとなった、水色のパッケージが目を引きます。
【おしながき】 ・かやく御飯 原了郭「黒七味」 ・鶏照焼 ・鶏つくね ・青葱煮 ・山菜 ・揚げ ・人参煮 ・姫竹煮 ・すぐき漬け
ふたを開け、伸縮式の橋が入った中蓋を外すと、コンテナのなかからは鶏肉の照り焼き、つくねにお揚げが見えてきました。淡路屋が京都をイメージして作っている人気駅弁で、季節ごとのアレンジも嬉しい「きつねの鶏めし」がベースになっている様子。原了郭「黒七味」の小袋も封入されており、ピリッと辛味を効かせて、お揚げがのったかやくご飯をいただいていくのが楽しいひとときです。