不祥事相次ぐ鹿児島県警 警察庁の見解は? 書面で回答された本部長の転出経緯と、「隠蔽の疑惑なし」との結論根拠
鹿児島県警の野川明輝前本部長(53)が5日付で警察庁長官官房付に転出した理由について、同庁人事課は8日、「一般論として、人事は適材適所の観点から行っている」とした。南日本新聞が10月30日に申し込んだ取材に書面で答えた。具体的な経緯の回答を求めたが、言及しなかった。 野川氏の在任中は、盗撮や情報漏えいなどの不祥事が相次いだ。6月には前生活安全部長=国家公務員法(守秘義務)違反の罪で起訴=が「野川本部長が不祥事を隠蔽しようとした」と主張した。 すでに同庁が「客観的に見て隠蔽はなかった」と結論付けている根拠を問うと、「県警による調査に加え、警察庁でも野川氏から事実関係を聴取するなど必要な調査を行った結果」とした。一連の不祥事や県警の対応について、県警を指導する立場としての受け止めを尋ねると、「引き続き新たな本部長の下、再発防止対策を確実に実行し、信頼回復に努めることが重要」と正面から答えなかった。
野川氏は13日付で、同庁から自動車安全運転センター総務部長に異動する。
南日本新聞 | 鹿児島
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