【飯塚オート・GⅡオーバルチャンピオンカップ】中村雅人 久々のグレード戦Vに「かみ合えば取れるんだな」
飯塚オートのGⅡ「オーバルチャンピオンカップ」は最終日の22日、最終12Rで優勝戦を行い、中村雅人(43)=川口=が速攻を決めて優勝。大会は初制覇で、GⅡ通算では6度目のVを決めた。2着は荒尾聡、3着には有吉辰也の地元勢が入り、3連単は2410円(7番人気)だった。5日間の総売上額は、3日目に不成立、中止の影響があったとはいえ、6億9135万円余り(目標額11億円)にとどまった。 地元の強力なライバルたちをねじ伏せたのは、川口の中村雅人だった。SGグランドスラムの偉業を成し遂げた男も近況はグレード(G)戦Vには無縁。実に21年の浜松GⅡウィナーズカップ以来のG戦Vに、「いつだったか記憶にないよ。でも、うまくかみ合えば取れるんだな、と思った」と、あくまでもクールにつぶやいた。 S直後に訪れた2度のヤマ場を巧みに乗り切ったのがデカかった。まずは、トップSの有吉辰也についで1角を通過した荒尾聡の内にもぐり込んで2番手へ上がった1、2角。そして直後の3角で逃げる有吉の内懐に切り込んだところだ。 そのシーンを振り返って中村は、「あそこは引くに引けなかった。というか、入った意味がないから、引かないよ。(勝てたのは)それに尽きる」。素早く先頭に立つと、あとはしっかりコースを守って、執ように仕掛けようとした荒尾の追走をなんとか振り切ってみせた。 次節は、地元川口で行われるSG日本選手権オートレース。「(エンジンが)悪くない状態で行けるのはいいことかな」。10大会ぶり2度目の選手権制覇にこれ以上ない弾みをつけて地元にがい旋する。