表現者:武田鉄矢 インタビュー「負けと折り合うことから人生を知る」
これからは普遍的なものを届ける表現者になりたい
その芝居の才能を活かして、1970年代後半からは歌と俳優の両面で活躍をしてきた。 「やはり表現する面白さというのが、歌とお芝居に共通してあるんです。その二つで表現することは、自分の中で大事なことだった気がしますね。落語家の立川談志さんが芸術を定義しているんですが、落語とは『人間の愚かさを笑う』。歌謡は『人間の愚かさに泣く』、そして映画は『人間の愚かさに気付いて、その愚かさを克服したいと願う』芸術であると。だとすると私にとっては、自分の愚かさをどう歌にするのか。自分の愚かさをどう演じるのか。その二つでやっと愚かさに気付き、明日は少し賢くなろうって、手掛かりが生まれるんじゃないかという想いでずっとやってきた気がします。この年になりますとね、これからどう生きて何を表現すればいいのかを考えるんです。フランスの哲学者で作家のシモーヌ・ド・ボーヴオワールが『人間は60歳までは私という個人で生きていける。そこから先は個人で生きるのは不可能だ。では何者として生きるか。そこからは人類として生きていく』ということを言っていますが、その言葉が結構身に応える年齢になりました。私もこれからは、人間の普遍みたいなものに近づけるような歌や物語を、紡いでいけたらと思っているんです」 表現者として武田鉄矢は、齢を重ねて新たな境地へ入ってきたようである。その更なる活躍に期待したい。 取材・文=金澤誠 制作=キネマ旬報社
BS松竹東急(BS260ch)/全国無料放送のBSチャンネル ※よる8銀座シネマは『一番身近な映画館』、土曜ゴールデンシアターは『魂をゆさぶる映画』をコンセプトにノーカット、完全無料で年間300本以上の映画を放送。 2024年 6/5(水)20:00~ 「プロゴルファー織部金次郎2 パーでいいんだ」 監督:武田鉄矢 出演:武田鉄矢、財前直見、阿部寛ほか 6/6(木)20:00~ 「プロゴルファー織部金次郎3 飛べバーディー」 監督:武田鉄矢 出演:武田鉄矢、財前直見、阿部寛ほか 6/9(日)19:00~ 「海援隊50周年コンサート ~故郷離れて 50年~」 ※海援隊デビュー50周年、半世紀を記念するメモリアルコンサート。「母に捧げるバラード」「贈る言葉」「思えば遠くへ来たもんだ」ほか、大ヒット曲から最新曲まで50年の集大成を網羅します。(2023年4月1日 日本橋三井ホールにて開催) 6/10(月)20:00~ 「プロゴルファー織部金次郎4 シャンク シャンク シャンク」 監督:武田鉄矢 出演:武田鉄矢、財前直見、阿部寛ほか 6/11(火)20:00~ 「プロゴルファー織部金次郎5 愛しのロストボール」 監督:武田鉄矢 出演:武田鉄矢、財前直見、阿部寛ほか
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