ワースト記録尽くしの「西武ライオンズ」…ロッテ戦16連敗は「松井稼頭央前監督」が当事者だった「因縁試合の祟り」との声も
多くのファンの前で…
「最終戦時点での盗塁数は小坂43個、松井は42個と、その差はわずかに1個でした。試合はまず3回、松井が2塁打で出塁し、3盗を狙いますが2,3塁間で挟まれアウト。4回は小坂が左中間に2塁打を打ち、直後に3盗を試みたものの失敗します」(前出・デスク) 両チームとも、自軍の選手に盗塁王をとらせたい一心で、手に汗を握る攻防となるはずだった。だが7回、ついに“事件”が起きる。 1死後、小坂がヒットで出塁する。ここで2盗を決めれば単独での盗塁王タイトルが確定する。西武の投手、芝崎和広(53)はいきなり牽制、それも悪送球をした。平野謙・1塁コーチ(69)は小坂の2進を制止する。すると芝崎は次の投球で、セットポジションで静止しない、明らかに故意のボークという暴挙に出る。小坂はしぶしぶ2塁へ。そして3盗を狙うがここでも失敗した。 同じ7回の裏。松井は安打を放ち、2死1、2塁に。ここでダブルスチールをかけて見事に盗塁成功。小坂と同じ43個となり、盗塁王を分け合うことになった。 「悪送球で小坂が走らなかったのはオレが“待て! 行くな!”って言ったんだ。あいつはためらっていたけどね。ボークはわざとじゃないかな。あれでしらけたね」(平野コーチ談・1998年10月13日付スポーツニッポン) 「ボークでもいいぞと言ってたけど、あそこまで露骨にやるとは……」(西武の杉本正投手コーチ(65)談・1998年10月13日付日刊スポーツ) 当時の西武・東尾修監督(74)は、試合後にこう語っている。 「面白いというか、醜いというかな。ガハハハ」(同・日刊スポーツ)
ファンを無視した茶番劇?
2年連続で盗塁王となった松井は「やっぱり嬉しい。自分の力じゃないけど、決まった時は手を叩きましたよ」と試合後に言えば、同じく小坂は「簡単にとれるものじゃないから、ぜいたくは言いませんよ」と語ってはいるが、 「満員の観客からは『そこまでやるか!』とか『カネ返せ!』といった怒声が聞こえました。後味の悪い試合だったことは確かです。タイトル争いのかかった最終試合で、自軍の選手に獲らせたいと思うのはわかりますが、ファンを無視した茶番劇は頂けません。松井と小坂は翌99年も盗塁王争いをしますが、松井32個、小坂31個で、3年連続で松井が盗塁王に輝いています」(前出・デスク) この試合を受けて、パ・リーグの原野和夫会長は10月13日、 「褒められた行為ではない。ああいう行為が観客動員数減少の一因」 と、不快感を示している。当時は攻守に加え、スピードスターとしても絶好調だった松井。監督を休養し、ワーストとなった対ロッテ16連敗を記録した今シーズンを振り返り、何を思うだろうか。 デイリー新潮編集部
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