JX金属・日立事業所、圧延銅箔新工場が竣工。今下期の本稼働目指す
JX金属が日立事業所で建設していた圧延銅箔新工場が完成し、13日に竣工式を開催した。総額160億円を投じ、日立事業所白銀地区に仕上げ圧延工程を新設したもので、竣工式にはJX金属の百野修常務執行役員(機能材料事業部長)や相場玲宏執行役員(日立事業所長)や仕上げラインの建設に携わった取引先などから約40人が参集した。 今月から顧客認定作業に入り、今下期の本格稼働を目指す。 百野常務は仕上げ圧延ラインの起動式で「圧延銅箔はFPCがモバイル機器に多く使われているが、車載部品や民生・産業用ロボットへも用途拡大が予想されている。圧延を手掛けていた倉見工場が手狭になったこと、BCPの観点などを踏まえて日立事業所へ設備を導入したが、銅箔において圧延と粗化(表面処理)が同一エリアで隣接しているのは世界でここだけになる」と同拠点の位置付けを説明。その上で「我々の心のふるさとである日立地区で、銅箔がこの街のシンボルになることを期待している。いつか〝圧延銅箔の日立地区〟と呼ばれるようにしていきたい」と述べた。 今回の設備増強でJX金属の銅箔の生産能力は長さ換算で2020年度比25%増となった。この点について「顧客認証作業を経て、下期には本稼働に入る見込み。今回導入した仕上げ圧延ラインと脱脂ラインをもう1セット導入できるスペースを準備している。販売面で頑張らなければならないが、そう遠くない将来に新設備が入る日が来ると思っている」(百野常務)とした。