日本がついに鬼門を突破した。過去3戦全敗だった敵地でのサウジアラビア戦を2－0で勝利。W杯アジア最終予選3連勝を飾った試合で新たな歴史も作り、先制点の鎌田は「勝てていなかったサウジアラビアで勝てたのは日本にとって大きい」とほほ笑んだ。 したたかに戦った。前半14分に鎌田のゴールで先制すると、「暑さもあったし割り切ってブロックを作った」（遠藤）と失点回避を優先させて5バックの前に4人の中盤を並べる。カウンターで好機をうかがいながら、後半36分にCKから小川が追加点を奪った。 「立ち上がりに点が取れたので無理して前へ出なくてよくなった」と堂安。遠藤は「カウンターでチャンスになりそうだったし、無失点で終えられた。大切にしているセットプレーで点も取れ、理想的なゲーム展開だった」と会心の試合運びに胸を張った。 選手交代も的確だった。1点リードで入った後半には、カウンターに打ってつけのスピードと守備力を兼ね備える伊東と前田を投入して3バックの両脇に配置。森保監督と選手が描くイメージがぴたりと一致し、追加点奪取とクリーンシートへとつなげた。 同じ3バックをベースとしながら9月は攻撃に人数をかけて大量得点につなげ、今回のサウジアラビア戦は3バックの両脇に選手を置く守備的な布陣で結果を出した。守田が「いい試合内容だった」と手応えを口にするように、日本は戦い方の幅を広げながら力強く前へ進んでいる。（奥山次郎）