『ロボコップ: ローグ シティ』映画のゲーム化、その指針となるべき作品。原作愛の詰まり具合が最高。マーフィとルイスが出ている時点でほぼ満点!【夏のおすすめゲームレビュー】
ファミ通の編集者が2024年夏のおすすめゲームを語る連載企画。今回紹介するゲームは、映画『ロボコップ』を題材としたFPS『Robocop: Rogue City(ロボコップ: ローグ シティ)』です。 【記事の画像(1枚)を見る】 ※本企画は、週刊ファミ通2024年6月20日号(No.1852/2024年6月6日発売)の特集“編集者38人それぞれが選ぶいまオススメしたい38のゲーム”をWeb用に調整したものです。 コンタカオのおすすめゲーム 『Robocop: Rogue City』 対応ハード:プレイステーション5、PC(Steam)、Xbox Series X|S発売日:2023年11月30日発売 メーカー:3goo価格:8580円[税込]『Robocop: Rogue City』公式サイト ※Xbox Series X|S版はNaconより2023年11月2日に6930円で発売、PC(Steam)版は2023年11月3日に6580円で発売(価格はすべて[税込]) 【こんなところがおすすめ】: 映画『ロボコップ』に対する愛がたっぷり詰まった世界観ロボコップだからカバーリングなんて不要。だから爽快マーフィとアン・ルイスが出ている時点でほぼ満点 映画を愛する人が愛する人のために作った幸せな一本 1987年に公開された映画『ロボコップ』。スクリーンに映し出される暴力とユーモアの嵐に心をブチ抜かれたことは、筆者の人生に大きな影響を与えた。 この世界で『ロボコップ』を観ていない人はゼロだと思うが、「そんなものは聞いたこともない」という稀有な方のために、おおまかなあらすじを説明しよう。 舞台は、犯罪都市と化した近未来のデトロイト市。生身の警官はすぐ死ぬし文句ばかりだから、強力なロボット警官を作ろうぜ! ちょうど優秀な警官が死んだから、こいつを使おう。それで誕生したのが、ロボコップ=アレックス・マーフィ。彼の誕生にまつわる陰謀を巡って、悪党一味との壮絶な戦いが描かれる。 マーフィを演じたピーター・ウェラーの、爬虫類を感じさせる無機質な視線。黒と銀を基調に、口のまわりだけを露出させたスーツデザイン。 飛び散る血肉に美しささえ感じさせる破壊描写。その魅力を語るには紙幅が足りなすぎるので割愛するが、映画は大ヒットを記録してシリーズ化。『2』では新型麻薬“ヌーク”に市長選が絡む物語が展開し、『3』ではデトロイト再開発計画を巡るドタバタ劇がくり広げられる。 ただ、『2』はポール・ヴァーホーヴェン監督じゃないし、『3』はピーター・ウェラーも出ていないし、空を飛んだりするけれど。 ゲームの話をしないと。 本作を読者にオススメしたい理由は、“映画のゲーム化において指針となる作品”だからだ。本作の時間軸は『2』と『3』のあいだなので、ウェラー演じるマーフィはもちろん、相棒のアン・ルイスやリード巡査部長を筆頭に、映画の登場人物が各所で姿を見せてくれる。 デトロイトも、映画のロケーションを想起させるレイアウトになっている(レンタルビデオ屋が最高)。 そして何よりロボコップは硬いので、カバーリングは不要。“オート9”でバカスカ撃ちまくれば銃撃戦を制することができる。この割り切りっぷりがたまらない。まあ、ダメージは受けるし、フィールドを活かした立ち回りをしないときびしい場面もあるよ。 でも、本作には愚直なまでの『ロボコップ』愛が注ぎ込まれており、その愛情を映画ファンがすぐに理解できるゲームなのだ。 探索の猥雑さや、単調になりがちな銃撃戦という点もあるが、そんなものはどうでもよくなるくらい、映画に対する愛とリスペクトに満ち溢れすぎている本作。とりあえず映画を観てからゲームをプレイすれば、筆者が感じた幸福を感じてもらえるはず。 最悪、『3』は観なくてもいいです。リメイク版は観ないで!