『ふてほど』『地面師』『虎に翼』…年末年始におすすめ! 一気見したい注目ドラマ5選
日常のモヤモヤを丁寧に描写
最後に紹介するのは、『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』。「U-NEXT」で配信中の本作は、練馬ジム作の同名漫画を原作に、昭和堅気の主人公・沖田誠(原田泰造)がゲイの大学生・五十嵐大地(中島颯太)と関わりながら価値観をアップデートしていくホームドラマだ。 当初、誠は高校生の息子・翔(城桧吏)が大地と仲良くすることに嫌悪感を示し、「ゲイがうつる」とまで発言してしまう。しかし、壁にぶつかりながらも変わろうと努力する誠の姿は微笑ましく、同時に胸を打つ。大地も上から目線で講釈を垂れるのではなく、誠に寄り添う態度を見せるため、説教臭さを感じさせないのも魅力だ。 物語が進むにつれ、セクシャルマイノリティの葛藤や社会での立ち位置が丁寧に描かれるが、それだけではない。妻の美香(富田靖子)が作った料理を家族が“当たり前”のように食べることにモヤモヤしたり、翔が以前所属していた野球部の部員に女子生徒の“品評会”に付き合わされることに嫌悪感を覚えたりなど 、日常に潜むモヤモヤも丁寧に描いている。一見ユニークなタイトルに敬遠されがちだが、現代社会の課題を優しく問いかける、ぜひ見てほしい作品である。 今回紹介したドラマを見て、英気を養ってもらえればと思う。
望月 悠木