簡単ではない9ゲーム差も…松本裕樹の状態次第では心配な数字に ソフトバンクに再び訪れた抑え不在の危機
【評論家 #西村龍次の視点】 ◆ソフトバンク5―8日本ハム(4日、みずほペイペイドーム) 序盤に今宮、栗原、山川の一発攻勢で試合をひっくり返しながら、9回に6点を失っての逆転負け。2位日本ハムを相手にカード初戦を落とし、絶対に勝たないといけない位置付けの試合を落としたのは痛い。何より気になるのは、緊急降板した松本裕の状態だ。 ■緊急降板の守護神がベンチで…【写真】 9回に先頭の松本剛に四球を与えて交代。私の見る限り、3球目の高めに抜けた球は、特に彼らしくなかった。コントロールで崩れるタイプの投手ではないのに、完全にストライクを取る投げ方ですっぽ抜けていた。球速も140キロ台中盤までで、最後の5球目の直球は球がおじぎしていた。 松本裕はオスナの離脱以降、抑えの大役を担ってきた。疲労による右肩痛で登録抹消されるそうだが、万が一にも長期離脱という事態になれば、終盤の7、8、9回の勝ちパターンがばらばらになりかねない。そうなると、今後への影響はあまりにも大きい。 9回に打ち込まれた大山と岩井の新人コンビは責められない。通常、勝ち試合で抑えが準備をして登板した時点で、ブルペン陣は気持ちが「オフ」になる。それでは駄目と言われるかもしれないが、経験の少ない新人があの局面でマウンドに上がるのは酷だった。 大関も2回以降はよく立ち直った。ただ、厳しいことを言えば、7回までは投げてほしかった。藤井の離脱もあって救援陣が苦しい中、先発は少しでも長く投げたい。7回は杉山に託したが、大関がそこまで投げていれば、9回に杉山が残っていた可能性は高い。 松本裕の不在期間の抑えを誰が務めるのか。8回を任されてきたヘルナンデスは球威は抜群だが、コントロールに不安が残る。松本裕が軽症ならば、追う方にとって9ゲーム差は簡単な数字ではない。ただ、そうでなければ、ソフトバンクにとって心配な数字になるかもしれない。(西日本スポーツ評論家) 【#OTTOホークス情報】
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