全米大学バスケットスターの壊れたナイキ靴波紋。ライバル会社との争奪戦激化で契約金11億円に上昇?!
CBSスポーツは、ナイキが株価の暴落で11億ドル(約1210億円)の損失を被ったことを伝えたが、その一方で、米国ヤフースポーツは「ナイキの靴の失敗がウィリアムソンにはビジネス面で恩恵をもたらすかもしれない」と、他メーカーとの争奪戦が激化することにより契約金が跳ね上がるのではないかという見立てを報じた。 ナイキとマイケル・ジョーダン、アディダスとコービー・ブライアント、そしてレブロン・ジェームズのNBAキャリア前の契約に深くかかわったシューズ関連の元役員、ソニー・バッカ―ロ氏は、「彼はNBAルーキーのシューズ契約の記録を作るだろう。彼はすぐにリーグで最も大きな(契約)選手の1人になるだろう」と断言。 現在、ナイキ、アディダス、プーマ、アンダーアーマーの大手メーカーが、水面下でウィリアムソンの入札に動いており「NBAドラフト前で(その契約金額は)年間1000万ドル(約11億円)となる」と巨額な金額が弾き出された。 また同記事は「ナイキにとってザイオンを契約できなければ、1980年代の半ばに(マイケル・)ジョーダンのブームに乗ってシューズ市場を支配してきた流れが変わってしまうのかもしれない。次世代のレブロン・ジェームズを手に入れることができないリスクを負うだけではなく、もしウィリアムソンが、ナイキ以外と契約し、(ウィリアムソンが選んだ)企業が単純に彼に高い契約金を払うというだけでなくナイキに欠陥があり安全でないシューズを製造したために競争相手を選んだということを理由にすれば、二重の打撃となる。ナイキにとって最悪の1日となった」と、ナイキが負う企業ダメージを説明した。 CBSスポーツも「この事故が複数の理由から『大きな品質欠陥』だった」とする品質の専門家、マリオ・ナタレリ氏の見解を紹介。同氏は「この製品のパフォーマンスと技術開発にかかわった会社による明らかなシューズ構造の欠陥」と指摘した。 また同氏は、今回の事故が起きた背景には「ナイキのようなスポンサーが大学に巨額なお金を支払い、特定のブランドを着用させるように選手に強いていることが問題」と、NCAAの運営をも批判。 ユタ・ジャズに所属するガードのドノバン・ミッチェルも、「また一度、この試合に投じられたすべてのお金について思い出そう。選手たちは何も手にしていない。そして今、ザイオンが故障した。NCAAは、何かが変わらなければならない」とツイート。大学バスケットのあり方について問題提起している。 たかがシューズの裏がめくれただけ……のアクシデントが……ここまでの波紋を広げるとは。現代社会におけるスポーツマーケティングの影響力の大きさを改めて思い知らされる“事件”となった。