「すごい制球力」「プロでも苦戦するボール」 侍ジャパン完全試合リレーを演出・大学2投手の圧倒的実力
3月7日、「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ 2024日本 vs欧州代表」の第2戦が京セラドーム大阪で行われ、日本代表が2対0で勝利。大学生投手2人を含めた6人の投手リレーで完全試合を達成した。 【動画】2024年新年版大学生ドラフト期待度ランキング!今年の顔・宗山塁らがひしめく中で1位は? 先陣を切ったのは金丸夢斗(神港橘-関西大))。最速153キロのストレートにスプリットやチェンジアップなどを操る今年のドラフト1位候補の左腕だ。 初球はボールにこそなったが、150キロを計測。その後はストレートを2球続けて追い込むと、最後はスプリットで空振り三振を奪った。さらに続く打者にはチェンジアップで空振り三振を奪うと、3番打者も三塁ゴロに打ち取り、三者凡退と絶好のスタートを切った。 2回も先頭打者をスプリットで空振り三振を奪うと、5番打者は中飛に打ち取る。最後はこの日の最速タイとなる151キロのストレートで空振り三振を奪った。 2回24球を投げて無安打4奪三振無失点と完璧な投球を見せた金丸。「自分の持ち味であるストレートの制球力が存分に出せたところが良い結果につながったと思います。今日はチェンジアップが良い形で抜けていたので、良かったなと思いました」と自らの投球を振り返った。 先発に抜擢した井端弘和監督は金丸の良さについて、制球力を挙げている。 「カウントが不利になっても変化球やストレートでファウルを打たせることができる投手だと思います。追い込んだらどの球種も勝負球になるところではコンビネーションも大事にしている投手かなと思いますので、大学生でこのような投球ができるのは素晴らしいの一言です」 大舞台でもいつも通りのパフォーマンスを発揮した金丸。降板後は宮城大弥(興南-オリックス)や隅田知一郎(波佐見-西日本工業大-西武)と変化球の投げ方について言葉を交わすなど、貪欲に学ぶ姿勢も見えた。 「投手を中心に色んな方に教えてもらったことがあったので、これからの野球人生につなげていきたいと思います。チームに帰ってからたくさん吸収したことを伝えていけたらと思います」と話した金丸。アマチュア球界屈指の投手が今回の経験を経てさらに進化を遂げそうだ。 4月6日からは関西学生野球連盟の春季リーグ戦が開幕する。「まずはチームに帰って全国制覇を目標にしてやるのと個人的にはプロにドラフト1位で行くことを目標に頑張りたいと思います」と金丸は今後の抱負を語った。リーグ戦18連勝中の左腕はドラフトイヤーでどんな投球を見せてくれるだろうか。 金丸からバトンを受けたのが、こちらも大学生の中村優斗(諫早農-愛知工業大)。「金丸よりも良いピッチングをしてやろうと思いました」と意気込んでマウンドに上がった中村は初球から155キロを計測する。 一人目を二塁ゴロに打ち取ると、次打者の初球では自己最速タイの157キロを計測。2ボール2ストライクと追い込んだ後は「プロでも苦戦するようなボールだと思う」と井端監督も絶賛するスライダーで空振り三振を奪う。最後の打者も遊撃ゴロに打ち取り、「自分の持っている最大限の力を出せたと思います」と三者凡退で後続にマウンドを譲った。 大学生の頑張りに負けじと4回以降に登板したプロの投手もパーフェクトを継続して、継投による完全試合を達成。7回には中堅手の西川史礁(龍谷大平安-青山学院大)のファインプレーが飛び出すなど、プロアマの合作で大記録を成し遂げた。