2024-25年秋冬パリコレ開幕 「CFCL」が公式で初のランウエイショー開催
ショー音楽は、セルビア出身でベルリン在住の現代音楽作曲家クリスティーナ・スザーク(Hristina Susak)に制作を依頼。「東京でのコンサートを聴いて、感銘を受けた。緊張感と反復するリズム、シンプルな構造という彼女の音楽に対する考え方は、『CFCL』にマッチすると感じる」という。ただ、弦楽器のカルテットが弾くかすれたような音と奏者が上げる声で生む感情をむき出しにしたような旋律は、心をざわつかせた。
そんな音楽はコンセプチュアルすぎたようにも思えたが、ブランド設立から8回目になる今回は、シーズンごとに取り組んできた挑戦の積み重ねとニットへの飽くなき探究心が見て取れた。それは、公式のショー枠に入ったことで初めてコレクションを目にする観客にも「CFCL」らしさが伝わるものだっただろう。
ショーを終えて、高橋クリエイティブ・ディレクターが語ったのは「ショーに翻弄されないようにしたいという気持ちがあった。半年に1回新しいものを作らなければいけないというよりも、日常で買ってくれたり着てくれたりするお客さまをしっかり増やしていって、ファンにしたい」ということ。その思いを反映したバリエーション豊かな提案は、これまでより多くの人に響きそうだ。