【毎日書評】一人何役もこなすリーダーへ送る、現場が動くマネジメント6つのチェックポイント
Why なぜ、現場を見る必要があるのか?
組織は「部分最適化」、すなわち“自分の部門やチームだけのことを考える最適化”に陥りやすい傾向があると著者は指摘しています。しかも組織を必要以上に細分化し、細分化されたそれらの組織ごとにMBO(目標管理制度)やインセンティブ(褒賞)制度を導入することで、部分最適化を加速させてしまっている可能性があるのだとか。 そのため、組織全体の全体最適を実現するためには「制約条件理論」を活用することが重要です。その1つの解決策として、「KPIマネジメント」を活用することが挙げられます。(50ページより) 著者の『最高の結果を出すKPIマネジメント』(フォレスト出版)によって注目を集めることになったKPIについては、「数字で管理する話」だと考えている方が多いかもしれません。 しかし著者のいうKPIマネジメントは、「放っておくと部分最適になる組織を全体最適に蘇らせる方法論」なのだといいます。(50ページより)
What 現場でなにを見るのか
現在、時代の大きな変化に対応するために、「自律自転する組織」が求められています。これを実現するためには、ミドル(中間管理職)がハブとなるミドル・アップダウン型の組織構造が重要となります。 しかし、ミドルは多くの業務を担当しているため、何らかの支援が必要です。 具体的には、「ミドルの育成」「現場の見える化」「アップダウンする仕組み」の3つの要素を整備し、支援することが重要です。(92ページより) 残念なことに、現場に丸投げして放任する「現場を見ない」組織が多く見受けられると著者は指摘しています。 しかし現場が自律自転するためには、組織全体の目標(ゴール)を揃えることが必須。さらには著者オリジナルのマネジメント手法である「G-POP(ハイパフォーマーの仕事の仕方)」を導入することで、自律自転の促進が可能になるといいます。もちろん、現場の「悪い兆し」を早期に把握することも重要。(92ページより)