意識不明の乳児死亡、生後1カ月…暴行した父は無職24歳 仕事から帰った母、子の異変に気付いて通報 父は鑑定留置 けんか絶えない夫婦、親族の供述で暴行発覚 子は脳損傷、10日後に息を引き取る…母「顔が紫色」
自宅で生後1カ月の長男に暴行を加え死亡させたとして、傷害致死の疑いで逮捕された父親(24)が鑑定留置に入ったとさいたま地検が12日、明らかにした。地検によると、期間は6日から約3カ月間。 異様…両脚骨折の女児死亡、近所で痛々しい光景 冷たい路上で四つんばい、「さっさと歩け」と怒鳴る女性が
父親は昨年9月9日ごろ、当時住んでいた川口市内のアパートの一室で、長男に対し、何らかの暴行を加え、死亡させたとして、今年8月21日に埼玉県警に逮捕された。 ■けんか絶えない夫婦 親族の供述で発覚(以下、初報記事) 自宅で昨年9月に生後1カ月の長男に暴行を加え死亡させたとして、県警捜査1課と武南署は8月21日、傷害致死の疑いで、草加市八幡町、無職の父親(24)を逮捕した。「暴力など振るっていない」と容疑を否認しているという。 逮捕容疑は昨年9月9日ごろ、当時住んでいた川口市安行吉蔵のアパートの一室で、長男に対して何らかの暴行を加え、10日後の同月19日に搬送先の病院で死亡させた疑い。長男に目立った外傷はなかったが脳に損傷があり、死因は蘇生後脳症だった。 同課によると、犯行当時、長男は父親と20代の母親との3人暮らし。仕事のため外出していた母親が帰宅した際に長男の異変に気付き、午後7時過ぎに「子どもの呼吸がおかしい。顔色が紫色になっている」と119番した。
2日後の9月11日、搬送先の病院から連絡を受けた県南児童相談所が「新生児が意識不明で搬送されてきたが、虐待の疑いがある」と武南署に通報した。親族らへの聴取などで父親の犯行を特定した。 父親に対しては、長男の姉に対するネグレクト(育児放棄)などの虐待が疑われるとして、県警が過去に複数回、同児相に通告していたという。 同児相や川口市によると、事件前、父親と母親との間でけんかが絶えなかったことなどから、子どもの適切な保護や支援を行う川口市の要保護児童対策地域協議会は、母親をケアが必要な特定妊婦に登録。長男が生まれた後には、養育状況などを確認するために家庭訪問や電話などで連絡を取っていた。最後に家庭訪問が行われた昨年8月30日には不審な様子は見られなかったが、これまでの家庭訪問の際には、母親が父親について「一緒に暮らしていくのはきつい」などと話していたという。 支援対象の家庭で起きた事件について、川口市の子育て相談課は「(子どもが)亡くなったことを重く受け止めている。市としては、できる限りの対応をしていると考えている」とコメントした。