広島・宇草 2年ぶり&代打で初の豪快アーチ 同期・森下の奮投に応えた! 昨年1軍出場なし「1試合1試合、全力で」
「広島6-2巨人」(20日、マツダスタジアム) 両手に残った感触が、打球の到達点を伝えてくれた。広島・宇草孔基外野手が放った打球は美しい放物線を描きながら右翼スタンドへ突き刺さった。2年ぶりの一発は、プロ入り初の代打弾。「いい準備ができて、いい反応ができた」。貴重な追加点をたたき出し、3連勝に貢献した。 【写真】お立ち台で宇草と肩を組む森下 どっちもめちゃ笑顔 3点差に詰め寄られた直後の七回1死の場面に代打で登場。ケラーの4球目直球を鋭く振り抜くと、打った瞬間に本塁打を確信する弾道で白球は右翼フェンスを越えた。 22年6月22日・阪神戦でプロ入り初のサヨナラ本塁打を放って以来、2シーズンぶりの本塁打。快音につながったのは常日頃から意識している脱力があった。「力んでもバットも出てこないし、自分から崩れにいっているだけ」。スイング時に頭の位置を動かさないことを念頭に置きつつ、肩の力を抜いてバットを握る。だからこそ、力感以上に打球を飛ばせる。 森下、石原と同期入団の5年目。17日に誕生日を迎え、石原からはシューズをプレゼントされたという。2月3日が誕生日の石原には今年、移動時に着用できるネクタイを贈った。豪快な打撃に加え、細やかな気遣いを欠かさない一面も魅力の一つだ。 1年目から出場機会を増やしたが、昨年は1軍出場がなかった。「自分は明日がない立場。本当に1試合1試合、全力で戦っていこうと思う」と誓った宇草。余韻に浸ることなく、目の前の一打席に全てを懸けていく。