阪神はCS1stステージで巨人に勝てるか?
いよいよ、明日10日からセ、パのクライマックスシリーズのファーストステージが同時開幕。セは巨人―阪神、パは日ハムーロッテというカードだ。レギュラーシーズンの最終戦で広島が中日に敗れたことで、CS出場権が転がり込んできた阪神は、昨季、CSのファイナルステージで巨人に4タテを食らわせて2位から下克上日本シリーズ出場を果たした。2015年のCSは3位からのスタート。その再現はなるのか。 両チームの今季の対戦データを見ると阪神の絶対不利。阪神は巨人に9勝16敗と大きく負け越しているが、対巨人戦の平均得点が、2.12点で、チーム打率が.210と、たださえ弱い打線がまったく機能しなかった。しかも、13試合あった東京ドームは、2勝11敗の鬼門。 第1戦での先発が予想されている藤浪は、今季最多勝利をあと一歩で逃したが、14勝7敗の成績で、奪三振タイトルを奪った。しかし対巨人戦は、8試合に投げて2勝4敗、防御率2.48の成績。これが、東京ドームとなると、4試合に投げて、0勝4敗、防御率3.94と、相性が悪い。 また故障で離脱していた守護神、オ・スンファンがファーストステージには間に合わず、足の指を痛めているマートンの状態もよくない。和田監督の退任が決まっていて、球団サイドが次期監督候補の金本氏と交渉中とあって、監督の求心力を中心としたチームの一体感にも欠ける。 阪神の育成コーディネイターで評論家の掛布雅之氏は、「オ・スンファンというカードを一枚欠き、8、9回の戦いを計算できないことは痛い。4分6で阪神が不利であることは間違いないが、短期決戦はそういうデータや戦力差は関係しない。阪神が勝つための最低条件をクリアすれば、何が起こるかわからない。しかも、失うものは何もないのだから心理面では巨人より有利だ」と阪神の下克上に期待を寄せる。 掛布氏が語る勝つための最低条件とは、1.藤浪の2点以内の好投 2.トップバッターの鳥谷を軸とした先取点 3.ラッキーボーイの出現の3点だ。 「過去のデータを見ても、CSのファーストステージは、第1戦を取ることが必須。藤浪が、2点以内に抑えることが条件だが、課題の立ち上がりから3回までにストレートのシュート回転をいかに修正しておくか。ストレートがシュート回転すると、左打者に対して、スライダー、フォークでしか組み立てられなくなる。立岡、阿部というキーマンに攻略され、先取点を失うとますます不利な展開になる。また、その立岡と鳥谷という両チームの1番がどう機能するかもポイントだろう。場数を踏んできた鳥谷が、その経験をどう活かすか。阪神が勝つためには先取点が大きな条件になってくる」