日テレ・東京Vベレーザを英メディアが特集!現在マン・Cで元所属選手4人がプレー「日本のタレント工場」
イギリスメディア『ガーディアン』がWEリーグの日テレ・東京ヴェルディベレーザを特集した。 今夏、マンチェスター・シティにはMF長谷川唯に加えてFW藤野あおば、DF清水梨紗、GK山下杏也加と3人の日本人選手が加入。4人のなでしこジャパンがイングランドの強豪でプレーしている。 4人に共通しているのは、ベレーザでのプレー経験があること。アレックス・ビショップ記者は「都会のまばゆい光から離れ、緑豊かな大東京の郊外に、ユース育成への取り組みが不思議なほど目立たない存在がある。日本で最も成功している女子サッカーチーム、東京ヴェルディ・ベレーザだ」と切り出して、4選手以外にも、下部組織出身選手含め多くのトップ選手を輩出しているベレーザについて注目した。 「その成功は、日本で最も多くのトロフィーが飾られていることだけでなく、アカデミーの卒業生が最高レベルで活躍するという驚異的な記録によっても証明されている」 「2024年のバロンドールにノミネートされたマンチェスター・シティの長谷川唯とウェストハムのFW植木理子は、イングランドのWSL(ウィメンズ・スーパーリーグ)で活躍しているベレーザのアカデミー出身者のうちの2人だ。日本代表のレジェンドである岩渕真奈と澤穂希も、名声の高い卒業生である」 ビショップ記者は「では、この地味な環境にあるクラブが、なぜトップクラスの人材を効率よく輩出できるのだろうか?」問いかけ、ベレーザの育成について分析した。 要因として「複雑なパスワークとしっかりとしたゲーム理解は、日本人選手によく見られる2つの特徴であり、ベレーザの哲学はこれらの資質に適している。ベレーザは、流動性とまとまりを大切にするフロントフット・アプローチを採用している」という面に着目。 同記者が取材を行ったベレーザの現指揮官、松田岳夫監督の「トレーニングではビルドアップのプレーに集中し、試合中にそれをどのように実行するかについて相互理解を深める。トレーニングで取り組んだことを実戦で表現することは非常に重要だ」というコメントを踏まえ「WSLのようなトップリーグで活躍する日本人選手の資質は、こうしたトレーニングの積み重ねによって表面化する」と見解を示した。 そして「日本人の敏捷性とシャープなテクニカル・スキルは、他に類を見ないものだ」という特徴が海外クラブからの注目要素となり、今年取材したという元なでしこジャパンFW永里優季(過去にベレーザに所属)が「選手は日本国外への移籍を確保することで、現代のサッカー界で重要視される身体能力など特性を身につけ、適応することができる」と明かしたように、日本で積み重ねた能力から海外移籍後のプラスアルファが加わることによって、活躍につながっているとした。 加えて「日本のプロリーグであるWEリーグの進歩が世界のトップリーグに遅れをとっている今、選手が海外での冒険を断る理由を見つけるのは難しい」と、国内リーグの現状についても指摘。 「国内リーグは、同様の成長と発展の機会を提供できる環境に変貌を遂げなければならない」 「それが達成されるまでは、ベレーザのような日本のタレント工場は、最高レベルで戦える選手を生み出す能力に安心感を見出さなければならない。現時点では生産ラインは衰えを見せず、驚異的な効率で稼働し続けている」と、ベレーザのトレーニングアプローチやトップ選手を数多く輩出している実績への称賛、そして将来への期待を込めた。