廃棄処分されるはずの“消防ホース”が保育園の遊具に変身! 保育士が手編みでブランコづくり 愛知・春日井市の保育園で広がる再利用
保育園で子どもたちが楽しんでいた綱引きやブランコ。これらのオリジナル遊具は、人々の命を守る“ある道具”が生まれ変わったものでした。
捨てられていた消防ホースを保育園の遊具に再利用!
愛知県春日井市にある柏原保育園の室内ホールで、子どもたちが綱引きを楽しんでいました。一方、外では行列ができるほどブランコが大人気! 子どもたちが遊ぶオリジナルの遊具をよ~く見てみると、普通のロープでできているわけではないようですが…。
実は、この遊具の正体は“消防ホース”。消防署で実際に使っていたのですが、使えなくなって廃棄するホースを保育園の遊具に再利用しているのです。 春日井市消防本部 長谷川裕記さん: 「火災現場でホースに水を入れると圧力でホースがパンパンになって、とがったものに当たると、すぐ穴が開いてしまう。新品のときはけば立っていることはないが、使っているうちに擦れて劣化していく」 火災現場で活躍する消防ホースの寿命は、長くて10年ほど。使えなくなるホースは年間30本程度あります。
これまで寿命を過ぎた消防ホースは廃棄処分されていましたが、それに目を付けた人がいました。第一保育園の川上洋平さんです。日本モンキーセンターでサルが消防ホースを使って遊んでいる姿を見て「消防ホースは使える!」と思いついたといいます。 第一保育園 川上洋平さん: 「知り合いの消防士がいたので、廃棄する消防ホースを譲ってくれないかと話をしたところ、譲ってもらえたのでつくってみたら、物珍しさもあって子どもたちは喜んで、すぐ飛びついて」
これがきっかけで、春日井市消防本部は市内の保育園を対象に消防ホースの再利用を提案。希望する保育園に廃棄ホースを配ることになり、2022年度は16園、2023年度は6園に配布されました。
柏原保育園で、廃棄ホースを使って公園にあるようなバスケット型のブランコをつくるというので、その様子を見せてもらうと、保育士たちが慣れた手つきでホースを編んでいました。約1時間で手作りブランコが完成!