英大学でXの利用停止広がる、暴動あおった情報拡散きっかけに
Andy Bruce [8日 ロイター] - トランプ米次期大統領の側近となった米実業家イーロン・マスク氏が率いる短文投稿サイトX(旧ツイッター)が昨年の英国での極右主義者らによる暴動をあおる情報を拡散したとして、英国の大学などの高等教育機関が相次いでXの利用を停止している。ロイターが7日に実施した調査によると、いくつかの大学はXの利用を最低限にまで減らすか、完全に取りやめている。 マスク氏はスターマー英首相を投獄し極右団体「イングランド防衛同盟」の共同設立者で反イスラム活動家のトミー・ロビンソン(本名スティーブン・ヤクスリーレノン)受刑者を刑務所から釈放するよう求めている。 ロイターは計150を超える大学と傘下のカレッジ、芸術を専門とする大学や学校のXのアカウントを調査し、この数カ月間にわたってほとんど投稿がないか、全く投稿がない学校と連絡を取った。 うちXで約18万2000人のフォロワーを抱えている世界屈指のビジネススクール、ロンドン・ビジネス・スクール(LBS)は、昨年9月が最後の投稿となっている。LBSはロイターの取材に「コミュニケーションチャンネルを継続的に見直し、効果的な視聴者のエンゲージメントの水準基づいて、使うチャンネルを決めている」と語った。 ケンブリッジ大では31カレッジのうち少なくとも7つのカレッジがXへの投稿を停止している。同大で学生数が最大のホマートン・カレッジは「このプラットフォーム(X)がますます有害になっていることを承知しているので、Xでのプレゼンスを引き続き評価した上で、新たな代替手段を検証していく」と説明した。 ケンブリッジ大はロイターに対し、他のチャンネルと並行してXの利用を続けていると話した。 オックスフォード大でトップのマートン・カレッジはXのアカウントを削除した。コメントの要請には応じなかった。 同じくオックスフォード大のハリス・マンチェスター・カレッジは昨年11月15日が最後の投稿となり、フォロワーに対して他のプラットフォームで見つけるように呼びかけた。 イースト・アングリア大はXでの視聴者のエンゲージメントが80%減ったとしている。 ファルマス大は昨年9月にXへの投稿を終え、プリマス・マージョン大はXを今後使用しないと発表。ロンドン・メトロポリタン大は積極的な投稿をやめた理由として、エンゲージメントの低下を挙げている。 バッキンガムシャー・ニュー大はXについて「もはや私たちの大学との会話を奨励する場所ではない」と言及した。 ロイヤル・ノーザン・カレッジ・オブ・ミュージックは「意識的にエネルギーを他の場所に振り向けている」とした。 ロイヤル・セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマは昨年8月以来、投稿していない。 こうした動きに関し、Xはコメントの要請に応じなかった。